安倍首相「財政出動」の必要性強調に手応え
ヨーロッパ訪問中の安倍首相はイギリス・ロンドンで記者会見し、今月の伊勢志摩サミットに向けた各国首脳との意見交換に「手応えを感じた」などと成果を強調した。
今回の一連の会談で安倍首相が強調したのは、政府の支出を増やすことで景気を上向かせるいわゆる「財政出動」の必要性。
安倍首相「機動的な財政出動が求められていること、そのため伊勢志摩サミットでG7として一段と強い明確なメッセージを発出したいと考えていることを各国首脳にお伝えしました。この点について手応えをしっかりと感じ取ることができました」
ただ財政出動をめぐっては、G7メンバー=ドイツのメルケル首相が慎重姿勢を示している。安倍首相は会見で、「各国の事情を反映しつつ」と表現せざるを得ず、サミットでの意見集約に向け、課題が残った形。
一方、安倍首相は6日、ロシアのリゾート・ソチを訪れ、プーチン大統領との13回目の首脳会談に臨む。日本側は北方領土問題で前向きな対応を引き出すため、エネルギー開発など複数の協力プランを提示することも検討している。会談では「適切な時期」としているプーチン大統領の日本訪問に道筋をつけられるかが焦点。
安倍首相周辺は、「プーチン大統領と2人だけの時間をたっぷりとる。そのための訪問だ」と話していて、将来的なトップ二人による政治決着を見据えた交渉となる。