北方領土“新たなアプローチで交渉進める”
ロシア南部のソチを訪問した安倍首相は6日、プーチン大統領との首脳会談を行った。両首脳は北方領土問題の解決に向けて「新たなアプローチ」で交渉を進めることで一致したが、プーチン大統領来日の具体的な時期は決まらなかった。
会談はプーチン大統領の公邸で、夕食も交えて3時間以上にわたって行われた。両首脳はこのうち約35分間、通訳のみを残し、二人きりで会談した。この中で安倍首相はプーチン大統領に対し、エネルギー開発や極東地域の産業振興など8項目にわたる経済協力プランを提示した。安倍首相は「従来の発想を超えてロシア国民が恩恵を実感し、ロシア経済を発展させるプランだ」と説明し、プーチン大統領も「素晴らしい」などと応じたという。
一方で、焦点だったプーチン大統領来日の日程は「最も適切な時期を探る」ということにとどまり、具体的な進展はなかった。さらに安倍首相は、今年9月にロシア極東のウラジオストクを訪れ、首脳会談を行うことも明らかにした。
安倍首相「この問題は二人で解決をしていこう、未来志向の日露関係を構築をしていく中で解決をしていこう、その考えで一致をいたしました。今までの発想にとらわれない新しいアプローチで、交渉を進めていくということになります」
一方で安倍首相は、ロシアの閣僚らが北方領土を訪れていることなどを念頭に、「相手の国民感情を傷つける行動や発言は控えるべき」などと苦言も呈した。
プーチン大統領の求めに応じる形で「経済協力」というカードを切った安倍首相。今回打ち出した「新たなアプローチ」が領土問題解決につながるかは依然、不透明だ。