×

接続水域に中国船 国家安保会議が対応協議

2016年6月9日 21:13
接続水域に中国船 国家安保会議が対応協議

 9日未明、沖縄県の尖閣諸島付近の領海の外側にあたる「接続水域」に中国海軍の船が初めて入ったことを受け、政府は9日夜、国家安全保障会議を開いて対応を協議した。

 政府によると、9日午前0時50分ごろ、尖閣諸島久場島北東の接続水域に中国海軍のフリゲート艦1隻が入った。船は午前3時過ぎに接続水域を出た。日本の領海への侵入はなかったという。政府関係者によると、中国海軍の船が接続水域を航行するのは初めてだという。

 これを受け、外務省の斎木事務次官は9日午前2時ごろ、中国の程永華・駐日大使を外務省に呼び、抗議した。防衛省幹部は、中国が南シナ海の領有権をめぐるフィリピンとの訴訟や、先日のアジア安全保障会議で各国から示された強引な海洋進出への懸念に反発して、従来の主張を変える考えがないとの意思表示をしたのではないかと分析している。

 菅官房長官「(中国海軍艦艇の接続水域入りは)緊張を一方的に高める行為で、我が国としては深刻に懸念している」

 政府は9日夜、安倍首相も出席する国家安全保障会議を開いて対応を協議した。アメリカなど関係国と連携して、中国に対して緊張を高める行為をしないよう求めていく方針を確認したものとみられる。

 一方、防衛省によると、ロシア海軍の駆逐艦など3隻も8日夜、尖閣諸島の接続水域に入り、9日未明に出たという。