【参院選】自公が“改選過半数”各党の反応
安倍首相は参議院選挙の結果を受け、アベノミクスをさらに加速させることを強調した。また、憲法改正については国会の憲法審査会で野党も含めて合意を形成したい考えを示した。
安倍首相「確かに不十分な点もありますし様々な批判がありますが、しかし、この道しかないんですね。我々は3本の矢の政策をしっかりと前に進めていくことしかないんだろうと思います。給付型の奨学金については来年度の予算編成の中で実現していきたいと考えています。具体的な検討に明日(11日)から入っていきます。憲法審査会をスタートしてそこでいかに議論が深まっていって、どの条文をどのように変えるか、収れんできるかにかかっていると思います。そこで与野党含めて3分の2形成していく、さらには国民投票で国民のみなさまが判断していくということになっていきます」
同じ与党の公明党・山口代表は改選議席を大きく上回る議席の獲得を歓迎する一方、憲法改正については国会での議論が深まっていないことから実現には時間がかかるとの認識を示した。
山口代表「13議席獲得できました。我が党として目標に掲げたこと、達成できたこと、心から感謝します。改憲勢力3分の2というくくりはまったく意味がない。改憲を否定しないという意味では民進党もその仲間でありますから、選挙やる前からすでに民進党含めて3分の2は達しているわけであります。問題なのは国会で何も憲法改正について議論が深まっていないという実態を良くみるということが一番の問題だと思います。その点で我々は憲法改正がにわかに進むものとは思っておりません」
一方、民進党の岡田代表は一定の評価を得たとして9月までの代表任期を全うする考えを示した。また、安倍首相の下では憲法改正の議論には応じない考えを示した。
岡田代表「総理の立憲主義の解釈がいまだに理解できない。本来の意味で権力を縛るのが憲法と明示しないと、違う解釈で憲法を論じるのはなしだと思いますね。(民進党への評価は)回復途上にあると、途上にはあるけど議席は増やしています。そういう意味ではまだまだ十分に期待はできないが、しかし、がんばってということだと思います。私も選挙やってる間に、とにかく安倍政治を止めてくれとか悲鳴に近い声で言われた。民進党に対してもっとがんばれという期待感のあらわれでもあると思います。(9月までの代表)任期の間は責任を果たさないといけないと思っている。次の選挙のことは少しゆっくり考えたいということで、別に理由はないんですけど(代表選に出るか)いま決めないといけないことじゃないと思います」
この他の各政党党首の反応は次の通り。
共産党・志位委員長「32の1人区のうち、11の選挙区で勝利を収めた。最初のチャレンジとしては大きな成功と言っていいのではないか、さらにこれを第二の段階、第三の段階に発展していきたいと考えています。今度の選挙で自民も公明も憲法改定を訴えていない。だから、今度の結果で憲法改定の白紙委任を与えたわけではない。改憲派が強権的なやり方でやれば、これは非常に厳しい国民からの批判がおこらざるをえない」
おおさか維新の会・松井代表「関西では3議席をいただいた。非常に重責に身が引きしまる思いです。ただ、全国的に言いますと、まだまだ我々、大阪でやっている改革というものが全国のみなさんには認知をされていない。与党の圧倒的な勝利という状況の中ですから、野党としてはまだまだ本当に力不足を感じてます。(Q.党名変更もあり得ると?)ありえます」
社民党・吉田党首「(野党共闘を)社民党の支持に結び付けたいということを心がけましたけど、なかなか独自性が発揮できなかった。総理自身が憲法をひとことも語りませんでしたから、これは今回、結果的に争点になりませんでした。従ってそれは国民が決して認めたものではない」
生活の党と山本太郎となかまたち・小沢代表「1人区の(野党)統一候補を擁立できたということで私は大きな一歩だと思っています。ただ、この結果を見ると、国民がまだ自公にかわる政権の受け皿というところまで野党の態勢ができていないと受け止めているのではないだろうか」
日本のこころを大切にする党・中山代表「(憲法)改正といって一つにまとまって即改正になるということはまずないと思っています。憲法はどうあるべきかという議論がこれから始まるなら大変結構なことだと思う。(我々の主張が)まだまだ伝わっていない、伝えきれなかったと言うこと」
新党改革・荒井代表「大変厳しい開票状況でして、私の代表としての力不足を反省している。私の代表としてのいたらなさを痛感しています」