安倍首相「3本の矢の政策しっかりと前に」
10日に行われた参議院選挙の結果を受けて、安倍首相は自身の経済政策「アベノミクス」をさらに強化していく考え。
安倍首相は10日夜、「3本の矢の政策をしっかりと前に進めていくしかない」と決意を語っている。ただ、このところ円高・株安がさらに進むなど、アベノミクスは正念場を迎えている。安倍首相は10日夜、大規模な補正予算案を新たに編成する方針を表明したが、景気を上向かせることができるのか難しい舵取りが迫られる。
また、安倍首相は来月上旬にも内閣改造を行う考え。「力強い布陣を組みたい」と話しているが、ポスト安倍を目指す岸田外相や石破地方創生担当相の処遇や、政権の要である菅官房長官を交代させるのか難しい判断となる。
さらに今回、参議院でも憲法改正に前向きな勢力で3分の2の議席を確保したことで、今後、どう議論を進めていくかも焦点となるが、具体的に何を改正するのか調整は難航が予想される。
一方、野党・民進党は、9月に予定されている代表選挙に向けて、代表ポストをめぐる駆け引きが激しくなりそうだ。今回の参院選での共産党などとの共闘について、複数の1人区で自民党候補に競り勝つなど一定の効果があった一方で、党のイメージダウンにつながったとの不満もくすぶっている。代表選挙ではこうした路線対立が表面化する可能性がある。