日露首脳会談 領土問題に進展は…記者解説
ロシアを訪問中の安倍首相がプーチン大統領と会談し、今年の12月15日にプーチン大統領を山口県に迎え、首脳会談を行うことで合意した。今回の会談で北方領土問題は解決に向けて前進したのか、取材にあたっている富田徹記者に聞く。
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2日の交渉の具体的な中身は明らかにされていないが、安倍首相は進展に向けた手応えをつかんだようだ。
安倍首相は、「新しいアプローチに基づく交渉を、今後、具体的に進めていく道筋が見えてきた」と述べた上で、12月のプーチン氏の来日に向けて「交渉を加速させていく」と述べている。
また、会談に同席したロシアのラブロフ外相も、「日本とロシアは、平和条約締結交渉を継続して、その結果は、プーチン大統領の訪日の時に報告されるだろう」と話していて、日露双方とも12月を一つの節目ととらえ始めている。
しかし、領土問題については、まだ具体的なことは何も明らかになっておらず、予断は許さない状況だ。2013年にも日露首脳による共同声明で、「交渉を加速化させる」と明記したが、それから3年間、目に見える進展はなかった。
また、安倍首相周辺も「いきなり北方領土4島の議論ではうまくいかない。ロシアもそういう単純な交渉は望んでない」と、結論を得るまでには相当の時間がかかるとの見通しを示している。
12月のプーチン氏来日までに、具体的な解決の道筋を見いだすことはできるのか、難しい交渉が続きそうだ。