怒号の中 TPP承認案を採決…可決
TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案をめぐる与野党の攻防が大きな山場を迎えた。衆議院の特別委員会で与党側は4日、民進、共産両党が激しく抗議する中、TPP承認案を採決した。
民進党などが山本農水相の辞任を求める中、与党側は委員会での採決に踏み切った。委員会の冒頭、怒号が飛び交う中、山本大臣は強行採決の可能性に言及したことを「冗談を言った」などとした自らの発言について陳謝し撤回した。一方、自らの辞任は否定した。
山本農水相「再びみなさまに大変ご迷惑をおかけいたしましたことを、心からおわびを申し上げます」
この後、午後4時半前、民進党などが「強行採決反対」などと書かれたビラを掲げるなどして激しく抵抗する中、TPP承認案は採決され与党などの賛成多数で可決された。
今後TPP承認案はどうなるのか-。与党側は8日の衆議院本会議で採決する方針だが民進党などは徹底抗戦の構え。
民進党・蓮舫代表「(安倍首相は)結党以来、強行採決を考えたことないという、まさにそれが悪い冗談だと思います。憤ります」
民進党は、山本大臣に対する不信任決議案の提出を検討している。一方、政府与党内は、山本大臣の発言には半ば呆れつつも、ある政府高官が「こうした野党のやり方が国民の支持や共感を得るかね」と語るなど強気の姿勢。
国民生活に大きな影響を与える可能性のあるTPPをめぐる審議は、担当大臣の不用意な発言で大荒れの展開となっている。