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【解説】“安倍派幹部”処分どうなる? 「中間とりまとめ」自民党議員の評価は 党内でも意見割れる

2024年1月25日 22:12
【解説】“安倍派幹部”処分どうなる? 「中間とりまとめ」自民党議員の評価は 党内でも意見割れる

25日、自民党・政治刷新本部の「中間とりまとめ」が正式に決定されました。党内では、どのような評価がなされたのでしょうか。また、安倍派幹部の処分はどうなるのか、などについて、日本テレビ・政治部の平本典昭 官邸キャップが解説します。

■自民党・政治刷新本部「中間とりまとめ」の評価 点数は58点?

藤井貴彦キャスター
「自民党の派閥から人事、カネの機能をなくすという“中間とりまとめ”が25日、正式に決まりましたが、ずばり、評価としては何点なのでしょうか?」

日本テレビ 政治部・官邸キャップ 平本典昭
「はい、ずばり『58点』をつけます。この点数、どうやってつけたかといいますと…自民党議員17人に聞いたその平均値ということで、1つの目安と位置づけたいと思います。具体的な意見を紹介します」

◆1人目 100点「派閥の問題の本質、人事とカネを封じた」
◆2人目 60点「半分以上の派閥が解散した。ただ大事なのは、今後『実効性』を持たせることができるか?」
◆3人目 0点「派閥という病巣が残った。また、再発のおそれがある」

■「実態解明」まだまだ…課題山積の岸田政権

藤井キャスター
「25日は、あくまで『中間とりまとめ』ということですが、次の焦点は、どこになるのでしょうか?」

平本官邸キャップ
「そうなんです。まだ中間とりまとめなので、“最終”も残っています。政治資金をめぐる問題には、岸田政権が取り組むべき課題がまだまだたくさんあります。

今回は、『再発防止』の観点から『政治資金の透明化』、そして、主に『派閥のありかた』について議論が集中しました。

ただ、過去に起きたことの『実態解明』はまだまだです。裏金を何に使ったのか、議員の説明も足りていません」

■“安倍派幹部”の処分どうなる?

平本官邸キャップ
「そして、次の焦点は、“けじめ”をつけるための『処分』です。

あるベテラン議員は、今回の中間とりまとめに『0点』をつけました。理由は『派閥をどうするかより、ルール違反した人の処分が大事だけれども、何も決まっていないからだ』と指摘しています」

藤井キャスター
「その処分というのは、どうなっていくのでしょうか?」

平本官邸キャップ
「自民党は、党の規律を乱した人やルール違反した人について、これまで『党紀委員会』を開いて、処分を決めてきました。

焦点となっているのは、安倍派幹部の塩谷座長、“安倍派5人衆”と呼ばれる松野前官房長官、西村前経産相、現在の高木事務総長らのメンバーの処分です」

■処分は8段階 茂木幹事長…安倍派幹部自ら政治責任の判断求める

平本官邸キャップ
「処分は、8段階あります。一番重い処分が『除名』、2つ目が『離党勧告』、さらに、選挙で公認しない、などとなっています。

直近では、政治資金をめぐる事件で逮捕された池田議員は『除名処分』になっています。また、3年前、コロナ禍で銀座のクラブに行っていた議員は『離党勧告』処分を受けました。そして2年前、安倍元首相を“国賊”と侮辱する発言をしたとして、村上誠一郎議員は1年間の『(党の)役職停止』処分を受けました。

今回、8段階で、どの処分になるかということについて、ある閣僚経験者は、『コロナ禍でのクラブ遊びと(“裏金”と)、どっちが悪いのか。最低でも離党勧告処分が必要だ』というふうに言っています。

刷新本部では、さらに重い『除名』処分にすべき、という声もありました。

ただ、安倍派幹部だけを厳しい処分にすれば、『党内のさらなる分断を生む』という意見もあります。また、安倍派議員からは、『軽い処分にすべき』という意見もあります」

■難しい処分  政権の“本気度”バロメーターに…

平本官邸キャップ
「安倍派との対立が深まれば、『岸田首相は安倍派からの恨みを買い、総裁選では絶対に応援されない。将来に禍根を残す』といった意見もあります。

また、25日、茂木幹事長が、安倍派幹部に対して、自ら政治責任を判断するよう求めたこともわかっています」

藤井キャスター
「その判断を議員自らがするのか、それとも、党が処分を決めるのか。いったい誰が、どんな処分を下すかというのは難しい判断だと思いますが、どうなのでしょうか?」

平本官邸キャップ
「難しいですが、難しいからこそ、まさに自民党の『自浄作用』が問われるのだと思います。

岸田執行部は『国民の信頼を回復する』と言っていますから、その意志の“本気度”が、今回の処分のバロメーターになると思います」