真珠湾訪問直後のワケ…稲田防衛相靖国参拝
稲田防衛相が29日、東京・九段の靖国神社を参拝した。国会記者会館から青山和弘記者が解説する。
Q:なぜこのタイミングで参拝に踏み切ったのか?
靖国神社への参拝に強いこだわりを持つ稲田防衛相だが、防衛相就任直後の今年の8月15日は安倍首相の意向もあって参拝を見送った。しかし稲田防衛相は、その後もどこかの機会で参拝したいと考えていて、官邸関係者は「このタイミングしかなかった」と話している。
真珠湾で犠牲となったアメリカ兵らの慰霊を行った直後で、日本兵の慰霊に靖国神社を訪れることに理解を得やすいとの思惑に加え、年末ということで年が明ければ気分を変えることができるという狙い。
稲田防衛相は事前に安倍首相にも参拝の意向を伝えた模様で、参拝後は周辺に「肩の荷が下りた」と話しているという。
Q:政界の反応はどうか?
官邸には「首相が参拝したわけではないし、靖国参拝はたいした問題にはならない」という見方もあるが、与党内から批判の声もあがっている。
ある防衛相経験者は、「真珠湾で和解を強調した次の日に参拝して日米両方の顔に泥を塗ることになった」と指摘しているほか、自民党幹部は「中国や韓国が言い訳する口実を与えた。防衛相在任中くらい我慢できないのか」と話している。稲田防衛相は年明けの国会で厳しい対応が迫られることになりそうだ。