長男・翔太郎氏“更迭”「解散戦略」への影響は? 「早期の解散は遠のいた」の声も…
岸田首相の長男で秘書官の翔太郎氏が辞職した問題について、野党側が30日、国会で追及しました。今回の辞職が岸田首相の「解散総選挙の戦略に影響する」という見方も出ています。
◇
岸田首相の長男である翔太郎氏が、総理公邸で不適切な行動をして秘書官を辞職した問題について、野党側が国会で追及しました。
立憲民主党 田島議員
「岸田首相は6月1日付でご長男の翔太郎氏を交代させると。これは更迭であると理解してよろしいですか」
岸田首相
「公邸の公的スペースにおける昨年の行動が、公的立場にある総理秘書官として不適切であり、けじめをつけるために交代させる。更迭かどうかというご質問ですが、言葉の遊びをするつもりはありません」
岸田首相は、野党側の追及に少しいら立った様子で説明しました。
◇
去年12月30日、翔太郎氏が首相公邸で親族10人以上と忘年会を開き、“大はしゃぎ”をしていたと「週刊文春」に報じられました。
記念撮影は、長男で秘書官の翔太郎氏を中心に首相公邸で行っていました。なかには、岸田首相の甥とされる男性が階段で寝そべっている写真もありました。
秘書官に起用した当初、岸田首相が“適材適所”と評価していながら、この不適切な行動で事実上の更迭になりました。野党側は30日、翔太郎氏の退職金や夏のボーナスはどうするのか、岸田首相をただしました。
立憲民主党 田島議員
「6月1日に辞職ということですが、一般職国家公務員制度を見ますと、これは日割りにならずに給与・退職手当等が満額支払われることになる」
岸田首相
「退職金あるいはボーナス等については、辞退あるいは返納する旨、本人の意思、確認しております」
◇
父・岸田首相の足を引っ張る形となった翔太郎氏。今回の辞職が、岸田首相の「解散総選挙の戦略に影響する」という見方も出ています。
ウクライナのゼレンスキー大統領の電撃来日もあったG7広島サミット。その最中に行ったNNNと読売新聞の世論調査では、岸田内閣の支持率は56パーセントと、8か月ぶりに50パーセント台に回復しました。自民党内からは「すぐに衆議院を解散すべき」との声が高まっていました。しかし、そのタイミングで身内の不適切な行動が噴出したのです。
与野党からは、早期の解散は遠のいたとの声があがりました。
自民党議員
「サミットでのプラス要素が消えてしまった」
野党幹部
「この問題で支持率が下がれば解散は難しくなる」
一方、自民党幹部からは影響は与えないとの声もありました。
自民党 遠藤総務会長
「(岸田首相は)適切な時期に解散を判断されると思いますから。そのこと一つ一つが解散戦略に関わってくるとは思っておりません」
早期の解散総選挙はあるのか。会期末まで1か月を切り緊張した状況が続きます。
(5月30日放送『news zero』より)