【全文】"統一教会"との推薦確認書「政府として調査する立場にはない」官房長官会見(10/20午前)
松野官房長官は、20日午前の会見で、いわゆる統一教会の問題をめぐり自民党議員が選挙の際に教団の関連団体から「推薦確認書」への署名を求められていたと報じられたことについて「政府として調査する立場にはない」と述べました。
<会見トピックス>
▽貿易統計
▽ウクライナ情勢
▽"統一教会"との「推薦確認書」
▽国葬の検証
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――先ほど発表されました貿易統計に関連してお聞きします。
年度上半期の貿易赤字が過去最大となるなど、原材料を輸入に頼る企業の経営が圧迫される状況が続いておりまして、政府に中小企業などの支援策を求める声も出ています。どう対応するかお聞きします。
○松野官房長官
本日公表された貿易統計において、原粗油や石炭が増加したこと等により輸入額が増加をし、半期として過去最大の赤字になったものと承知しています。足元のエネルギー価格高騰等に対応するため、まずは先日の物価賃金生活総合対策本部において取りまとめられた対策に着実に取り組んでいく考えであります。加えて、今回の経済対策においても、急激な電気料金の値上がりによって影響を受ける家計、企業を直接的に支援するため、前例のない思い切った負担緩和策を行う方針であります。
ガスについては、値上がりの動向、事業構造などを踏まえ、電気とのバランスを勘案した適切な措置を講じていくほか、ガソリンについても来年1月以降もその補助を引き続き実施していきたいと考えています。中小企業についても賃上げにつながる生産性向上など、前向きな投資を支援するものづくり補助金や事業再構築補助金、海外事業を取り込むための輸出拡大への支援に加え、価格転嫁対策を強化していきたいと考えています。
――ウクライナ情勢について伺います。
ロシアが一方的に併合で宣言したウクライナ4州に戒厳令を施行しました。ウクライナ軍との交戦が激化する恐れがあるほか、現地のウクライナ住民がロシア軍に動員される懸念も指摘されております。日本政府として、今回の事態を受け、国際社会でどう連携を図っていくのか見解を伺います。
○松野官房長官
10月19日、プーチン大統領は、ロシアが違法に併合した4地域における戒厳の導入に関する大統領令に署名し国防省や内務省等に対して3日以内にこれらの地域において、取るべき措置について提案を求めること等を決定したと承知をしています。政府として、ロシア側の意図について申し上げることは差し控えますが、本件が今後の戦局に与える影響については、引き続き、注視していく考えであります。いずれにせよ、ロシアによるウクライナ国内地域の違法な併合と称する行為は、ウクライナの主権と領土、一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、決して認めてはならず、強く非難します。
引き続き、G7をはじめとする国際社会と緊密に連携し ロシアに対し、即時に侵略を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう、改めて強く求めるところであります。
――弊社の取材で旧統一教会の友好団体が今年の参院選や昨年の衆院選の際に、自民党の国会議員に対して、憲法改正や家庭教育支援法の制定などを明記した「推薦確認書」を提示し署名を求めたことがわかった。
朝刊から報じている。選挙を支援する見返りに、教団が掲げる政策に取り組みを求めたもので、政策協定のような内容だが、受け止めと、政府として事実関係把握していることをお聞かせください。また、新たな事実ですが政府として何らかの調査対応をする考えはあるか。
○松野官房長官
ご指摘の報道については承知しているが、個々の議員の政治活動に関わることであり、政府として調査する立場にはないものと考えています。また、政党における政策決定についても、政府としてコメントすることは控えたいと考えています。
――関連して8月の内閣改造時に教団との関係を点検し、見直すことを受け入れた人物のみを岸田内閣では任命したということでしたが、そもそも点検に漏れがあった可能性があるのではないでしょうか。
○松野官房長官
政府における旧統一教会との関係については、各閣僚等それぞれが点検をし、旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底することとしているところであります。
――関連。
総理は国会で団体の働きかけが政策の決定に影響を与えたとは認識していないと答弁しているが、実際に影響していた可能性があるのではないか。
○松野官房長官
総理のお話にあった通りだと思います。
――安倍元総理の国葬に関して、検証や今後の国葬の在り方を議論する協議会を国会で設置する動きが出ているが、政府が論点整理したものはその協議会に示すことになるのか。また、政府が行う有識者へのヒアリングなど、現状想定しているスケジュール感についてもあわせて伺う。
○松野官房長官
そのような報道があることは承知をしていますが、現時点で政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。いずれにせよ、政府としてはまずは幅広い有識者の方々からご意見を伺い、できる限り早期に国葬儀について意見と論点を整理し、お示しをしたいと考えています。
スケジュールについて問いがございましたけれども、意見の収集整理には、まず日程調整を行い、ご意見をお聞きした上で整理し、整理したものを中立性の担保のためご本人に確認いただくなど、一定の時間が必要と考えています。相手のあることであり、現時点で具体的な時期をお答えすることは困難でありますが、できる限り早期にお示しをしたいと考えております。
――先程の統一教会の話題に戻る。
長官は新たな関係が判明した場合はその都度追加的に報告説明し、関係を持たないことを徹底するということだったが、今回の事実が明らかになった人も追加的な説明をすれば問題ないというお考えでしょうか。
○松野官房長官
今までも申しあげてきた通りでございますけれども、今回の組閣前、その時点における、旧統一教会との関係に関しましては、関係を調査説明をし新たな接点が判明した場合には、その都度追加的に報告説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底するとしているところでございます。