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“統一教会”巡り…岸田首相「答弁一転」 解散命令の請求で…“民法の不法行為も入りうる”

2022年10月19日 20:17
“統一教会”巡り…岸田首相「答弁一転」 解散命令の請求で…“民法の不法行為も入りうる”

国会では19日から参議院に舞台を移し、論戦が交わされています。「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”の問題を巡り、岸田首相の答弁が一転し、政府・与党内からも困惑の声が上がっています。

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“瀬戸際大臣”を辞任に追い込めない野党を「だらしがない」と挑発した自民党の石井参院議運委員長は、「各党・各会派の関係者の思いを冒とくするものであり、当該発言の全てを撤回のうえ、おわびを申し上げる次第です」と国会で謝罪しました。

その“瀬戸際大臣”をめぐっては、逆に野党は火がついたのか、質問が――

立憲民主党 辻元清美議員
「山際大臣にお聞きします」
「『(教団の創始者)文鮮明氏と同席してる』というようなことが発覚したら、さすがに大臣は辞めますよね」

山際経済再生相
「記憶の限りでは、その方にお会いしたことはありませんけれども、なにか出てくる可能性を全部否定するわけでは当然ありません。覚えてないわけですから」

山際経済再生相は「予防線」を張りました。

海外視察のさなか、教団の関連団体の会合に出席した件については――

立憲民主党 小西洋之議員
「なにか、ネパール・ナイジェリアの活動や経験で記憶していることをお話いただけますか」

山際経済再生相
「ネパールの大地震、被災地を訪問して、現地の復興状況を視察してまいりました。ナイジェリアに関しては水道事業の研修施設だとか、教員育成施設等々を視察したのを記録しております」

立憲民主党 小西洋之議員
「ネパール・ナイジェリア共に詳細なご記憶をいただきました。じゃあ、山際大臣、ネパール・ナイジェリアの“統一教会”の関連団体の会合で、どのような活動をしたのか、その記憶について答弁ください」

山際経済再生相
「副次的に合わせて出た(教団関係の)会合について、記憶をしていないというのは前々から申し上げてる通り」

立憲民主党 小西洋之議員
「ネパールの会合では、山際大臣がスピーチしている写真もあるんですが、そのスピーチした記憶もないんですか」

山際経済再生相
「ございません」

この発言には、「これでは質問続けられないよ」「ダメです。ふざけるんじゃない」とヤジが飛び交いました。

山際経済再生相は、去り際には笑顔も見せました。

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こうした中、焦点の1つが「解散命令の請求」です。その要件について、岸田首相の答弁に変化がありました。

立憲民主党 小西洋之議員
「昨日の衆議院の審議において、岸田首相は『宗教法人法の解散命令の要件には、不法行為責任などの民法違反は該当しない』と繰り返し明言をしました。撤回、修正する考えはありますでしょうか」

岸田首相
「行為の組織性や悪質性、継続性などが明らかとなり、宗教法人法の要件に該当すると認められる場合には、民法の不法行為も入りうるという考え方を整理をした次第であります」

岸田首相は、答弁を一夜にして修正したのです。

立憲民主党 安住国対委員長
「朝令暮改の批判は免れないのではないかと思いますが、これも衆参で努力してやってきた結果ではないかと思っております」

     ◇

首相の発言が一転した背景について、首相周辺は「きのう、専門家を集めて協議し、被害者のことを考えれば、民事も含めた方が良いという判断になった」といいます。

政府・与党内では、「解散命令請求に踏み切らざるを得なくなった」との受け止めが広がっています。こうした中、自民党・立憲民主党などは、霊感商法などの被害者救済法案について、今国会での成立を目指す事で合意しました。今週中にも、4党で与野党協議会を開催する見通しです。

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