イージス・アショア断念 党内の議論は…
河野防衛相は25日、山口県と秋田県に計画していた地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備を断念したことを明らかにしました。
■ミサイル防衛のあり方や安全保障政策の見直し 焦点は
25日、自民党の会議に出席した河野防衛相。
河野防衛相「山口県および秋田県へのイージス・アショアの配備を撤回をする」
政府が2つの候補地への配備を「断念した」と明らかにしました。
地上配備型のミサイル迎撃システムであるイージス・アショア。北朝鮮などが開発を進める弾道ミサイルに対し、イージス艦やPAC3とともに3段構えの防御態勢を築く予定でした。
今回の配備断念によって当面、イージス艦とPAC3でミサイル防衛を続けることになります。これを受け、政府や自民党は今後のミサイル防衛のあり方や安全保障政策の見直しを始めました。
そこで焦点となるのが「敵基地攻撃能力」の保有の是非です。
敵基地攻撃能力とは、相手の基地まで届く、巡航ミサイルなどの兵器を指します。自民党内には敵がミサイルを発射する前に攻撃する能力も持つことで、抑止力にすべきとの声があります。
■政府は9月末をめどに方向性示す
ただ、歴代の政権は敵基地攻撃能力を持つことは、憲法上可能であるとしながら、専守防衛の観点から「保有しない」立場をとり続けてきました。
中谷元・元防衛相「(敵基地攻撃能力について)アメリカもそろそろ日本は自分で対応すべきだとトランプ大統領も公言しておりますし」
佐藤正久議員「(敵基地攻撃能力について)賛成派と慎重派、両方の意見がありました」
自民党は週明けにもプロジェクトチームを立ち上げ、議論を本格化させ、政府も9月末をめどに方向性を示すことにしています。
ただ、連立を組む公明党は極めて慎重な立場で、敵基地攻撃能力をめぐりどこまで踏み込むのか、見通せない状況です。