岸田政権が総額43兆円程度と決めた今後5年間の防衛費のうち、1兆4500億円の用途が示されていないことが分かりました。野党は、本当に必要なのか分からないとして、今後、内訳を示すよう求める方針です。

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21日、立憲民主党の長妻政調会長は、政府が今後5年間で43兆円程度と閣議決定した防衛費について追及しました。

立憲民主党　長妻政調会長
「公表されなかったものが、12.9兆円だったということですね」

浜田防衛相
「まだ、このかなり細かな部分については、出ていないところもあるわけです」

防衛費43兆円のうち12兆9000億円について、用途が公表されていなかったというのです。

立憲民主党　長妻政調会長
「これ、驚くのでございますが、12.9兆円が何も表に出てなかったということ。こういうですね、別に国家機密でないわけですから、その概要くらいはですね、出していただきたいというふうに思うんですね」

浜田防衛相
「委員から求めに応じて提出した資料で、新たに明らかにした経費は25項目であり、その総額は約11.45兆円であります」

長妻政調会長の求めを受けて、防衛省が示した内訳。20日、資料を見せてもらうと、各幕各機関の維持・運営等経費に2.3兆円、教育訓練関連経費に6000億円など25項目の経費が新たに示されていました。

立憲民主党　長妻政調会長
「国家機密じゃないんであれば、公表してほしいですよね」

しかし、その25項目を足しても11.45兆円。いまだ残る1兆4500億円の用途は明らかにされていないのです。

立憲民主党　長妻政調会長
「何兆円か節約できんじゃないかっていう強い疑念がございますのでですね。今後ですね、さらに明細をですね、きちっとできる限り出すということを最後、宣言いただければ」

浜田防衛相
「我々も、そこはしっかりと説明できるようにしていきたいというふうに思っております」

松野官房長官は21日、用途が示されていない1兆4500億円について、「これらは各経費が比較的少額かつ多数に及ぶことから、今申し上げた（長妻氏に示した）資料には掲載されていませんでしたが、用途不明とのご指摘はあたらないと考えております」としました。

霞が関のある事務次官経験者は「政府はきちんと説明するべきだし、野党も追及が甘い」と話しています。