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【全文】新たな子育て支援策「自治体判断で現金給付も排除されない」松野官房長官(10/21午前)

2022年10月21日 12:04
【全文】新たな子育て支援策「自治体判断で現金給付も排除されない」松野官房長官(10/21午前)

松野官房長官は、21日午前の会見で、新たな子育て支援策として検討しているクーポン配布について「自治体の判断で現金給付もオプションとして排除されないが、具体的な制度設計は現在検討中だ」と述べました。

<会見トピックス>
▽英トラス首相辞意表明

▽消費者物価指数

▽"統一教会"との"政策協定"

▽原発新増設・上関原発

▽新たな子育て支援策

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。
一般案件等9件、法律案、政令、人事が決定されました。
大臣発言として、厚生労働大臣から令和3年度我が国における過労死等の概要および政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況について。
総務大臣から消費者物価指数について、全国都道府県知事会議の開催について。
岸田総理大臣から海外出張不在中の臨時代理について、それぞれご発言がありました。

閣僚懇談会においては、岡田大臣から秋の年次公開検証の実施等についてご発言がありました。

次に新型コロナワクチン接種について申し上げます。
昨日、厚生労働省の審議会において、新型コロナワクチンの接種間隔を5か月以上から3か月以上に短縮することが了承されました。これにより、9月までに従来型ワクチンによる4回目接種を受けた高齢者の方なども、年内にオミクロン株対応ワクチンの接種を受けていただけます。オミクロン株対応ワクチンは、従来型ワクチンを上回る重症化予防効果等があることや、今後の変異株に対しても、より有効であることが期待されており、従来型ワクチンを2回以上接種している12歳以上の全ての方が、1人1回接種できるものです。毎年、新型コロナは年末年始に感染拡大しており、今年はインフルエンザとの同時流行も懸念されています。一方で、年末年始は帰省や受験など、多くの方にとって大切な時期です。また、3回以上のワクチン接種で、海外から帰国する際に検査を受ける必要がなくなり、海外渡航もスムーズになります。国民の皆様におかれましては、ご自身や大切な方を守るため、年内のできるだけ早いワクチン接種をお願いします。インフルエンザワクチンとの同時接種も可能であり、インフルエンザワクチンの接種についてもご検討ください。

――イギリスのトラス首相について伺います。辞任することを明らかにしましたが、日本政府としての受けとめ、今後の日英関係への影響についての認識を伺います。また、政府はイギリスを基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーと位置づけ、様々な分野で連携を強化してきました。今後発足する新政権とも同様の関係の構築を目指すことになるのかお聞きします。

○松野官房長官
トラス首相の発表については承知をしていますが、他国の内政に関わることであり、コメントすることは控えさせていただきます。いずれにせよ、英国は基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーです。我が国としては、ロシアによるウクライナ侵略への対応や、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、引き続き、英国と緊密に連携していく考えであります。

――9月分の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合は前年同月比3%上昇。消費増税をのぞくと31年1か月ぶりの上昇率。原材料価格の高騰に加え、記録的な円安が輸入材の価格を押し上げた形ですが、政府の対応を伺います。

○松野官房長官
本日公表された9月の消費者物価指数は総合で前年同月比プラス3.0%。生鮮食品を除く総合で前年同月比プラス3.0%となりました。これは原材料価格の上昇や円安の影響で輸入物価が高い水準で推移してきたことにより、食料品価格や電気代、ガス代などのエネルギー価格が上昇したことが主因であり、こうした価格上昇から国民の生活を守っていく必要があります。このため、政府としては先般取りまとめた物価高騰に対する追加策を速やかに実施するとともに、総合経済対策を今月中に策定することとしています。総合経済対策においては、電気料金負担の激変緩和措置などの施策を盛り込み、エネルギー、食料品等の価格高騰から国民生活と事業活動を守りに行くとともに構造的な賃上げに向けて、人への投資の抜本的強化や成長分野への労働移動を同時に強力に推進してまいりたいと考えております。

――旧統一教会の問題について。複数の自民党議員に対し、旧統一教会が政策に賛同する政策協定を求めた問題で、長官は政府として調査する立場にないと、昨日答弁されたが、仮に各省庁の政務3役が協定にサインをしていた場合は、党ではなく、政府の政策決定に影響が出る可能性があります。改めて政府として、聞き取りや調査の考えはないかお伺いします。

○松野官房長官
昨日も申し上げた通り、 政府における旧統一教会との関係については、各閣僚等それぞれが点検し、旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度追加的に報告説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底することとしているところであります。

――23日投開票の山口県上関町長選について伺う。上関町は中国電力が計画中の上関原発の地元で、政府が8月に示した原発新増設を検討する方針を受けて、原発推進・反対両者の候補者が出て11年ぶりの選挙戦となる。この選挙戦が国の電力政策への影響を与えると思うが、どういうスタンスで注視しているかと、そもそも新増設を認める検討する中に上関原発が含まれているのかの二点をお願いします。

○松野官房長官
まず山口県上関町長選については承知はしていますが、個別の自治体における選挙について国としてコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、原子力政策のあり方については、世界のエネルギー事情が一変し、かつ、グローバルなエネルギー需給構造に、大きな地殻変動が起こっている中で、将来にわたって我が国のエネルギー安定供給を再構築すべく、あらゆる選択肢を確保していくことが極めて重要であることから、GX実行会議において、総理から検討の指示があったものであります。現在、総理指示を踏まえて、次世代革新炉建設の在り方も含め、原子力政策について経産省の審議会等で検討しているところであり、具体的な立地地点等についても何ら決まっているものではありません。

――先ほどの旧統一教会問題に戻る。「各閣僚の点検」と言ったが、点検に漏れがあった可能性は捨てきれない。今一度点検することを促さないのか。

○松野官房長官
先ほど申し上げた通りでございますが、各閣僚等がそれぞれ点検をし、新たな接点が判明した場合にはその都度、各閣僚等が適切に報告説明を行っていくということでございます。

――新たな子育て支援策として検討しているクーポン配布について。岸田総理は19日の参院予算委員会で自治体の判断で現金給付もオプションとして排除されないと答弁したが、昨年末に実施した18歳以下の子供一人あたり10万円給付のように自治体の判断で全額現金とすることも可能にするのか。またその際はクーポンにかかる経費などを理由に9割以上の自治体が現金を選んだが、子育てに使うという政策目的が失われたと思うが、今回は同じように実施するのか。

○松野官房長官
産前・産後の孤独・孤立や育児不安を抱える妊産婦、子育て世帯の支援を強化することは喫緊の課題と認識をしています。このため、妊娠時から出産・子育てまで、身近な伴走型の相談支援と経済的な支援をパッケージとして、継続的に実施することとし、今般の総合経済対策に盛り込むこととしています。自治体の判断で現金給付もオプションとして排除されないことを考えていますが、具体的な制度設計は現在検討中であります。いずれにせよ、伴走型の相談支援と組み合わせる形で妊産婦、子育て世帯に効果的な支援となるよう工夫してまいりたいと考えています。