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“緊急事態”再延長 「2週間」疑問の声も

2021年3月6日 12:20
“緊急事態”再延長 「2週間」疑問の声も

菅首相は5日、1都3県に出されている緊急事態宣言を延長すると表明しました。期間は2週間ですが、懐疑的な声や、さらなる長期化を求める意見も上がっています。国の対策や広がる影響、各地で拡大が懸念される「変異株」の感染状況などをまとめました。


■記念コース 7日解除のはずが…

都内の鉄板焼き肉店を訪ねました。佐賀牛のサーロインステーキや、オマール海老の鉄板焼きなど開店10周年を記念した特別コースは、1都3県の緊急事態宣言が終わった翌日の、8日から実施予定でした。

店長
「お客さまが少しは戻ってくるだろうと予想していました。補償金でギリギリな感じです。(宣言が)続くと厳しくなってくると思います。2週間といわれていますが、どうなんでしょうかね。終わらないんじゃないかな…」


■首相 延長表明の会見で陳謝

5日午後9時、注目の菅首相の会見が始まりました。

「(1都3県の)緊急事態宣言を2週間延長し、3月21日までにすることを決定いたしました。病床の使用率が高い地域があるなど、依然厳しさが見られます。人出が増加している地域もあり、いわゆるリバウンドの懸念も高まっています。当初お約束した3月7日までに宣言解除することができなかったことは、大変申し訳ない思いであり、心よりお詫び申し上げます」

この2週間に、新たに始める対策も発表しました。
「今月から変異株が短時間で検出できる新たな方法の検査を、すべての都道府県で実施し、国内の監視体制を強化します。同時に、水際の新たな措置として、すべての帰国者・再入国者に対し、14日間の待機期間中は、携帯電話の位置情報に加え、毎日ビデオ電話で状況を確認する体制を整えます」

また、生活が苦しい世帯にお金を無利子で貸し付ける「緊急小口資金」の限度額の引き上げや、雇用調整助成金の継続、非正規社員・ひとり親世帯への支援などを行うと表明しました。


■減少傾向の東京 一転再び増加へ

5日午後9時半ごろ、小池都知事も臨時会見を行いました。
「残念ながら現状は、(感染者数の)下げ止まりが継続しています。緊急事態宣言中である、今も続いているんだということを、都民の皆さんは、認識されているのか。あらためて認識していただきたい。目的はひとえに、都民の命を守るためです」

東京の新規感染者は301人で、先週金曜日の207人よりも増加しました。
7日間平均の感染者は273.6人で、前の週との比較では1月16日以降、減少傾向が続いていましたが、再び増加に転じています。

都内の入院患者は5日時点で1449人。小池知事は会見で「これからの2週間で例えば、入院患者数をあと199人減らしていく。これによって医療現場の負荷を軽減する。そして『ステージ2』に抑えていく」と述べました。

小池知事
「都民の皆さまへ3つのお願い。1つ目、外出自粛。『トコトンステイホーム』を。週3日、社員6割以上のテレワーク。時差出勤もあります。いま一度、『トコトンテレワーク』で強化をお願い申し上げます」

また、花見や歓送迎会などを含め、会食の自粛を呼びかけました。さらに宣言解除後の措置として、飲食店や劇場、映画館などへの時短要請を段階的に緩和、22日以降は夜9時までにすると発表しました。


■「2週間以上にすべき」の声も

宣言延長が決まった1都3県。神奈川県と千葉県も5日、新規感染者数が先週金曜日より増加。神奈川は116人から131人に、千葉は112人から137人となっています。

90人の感染者が出た埼玉県は会見で、県内で初めてブラジルの変異ウイルスを検出したと発表しました。感染者は10歳未満の女児で、渡航歴はないといいます。埼玉県は「同居家族からうつった可能性が高いとみています。家族については、いま検査していますが、まだブラジル株かどうかは分かっていません」と説明しました。

埼玉県ではさらに、イギリスの変異ウイルス感染も確認されました。渡航歴がある50代の男性ということです。

5日夕方、1都3県の知事はテレビ会議を行いました。首都圏一体となって、引き続き、不要不急の外出自粛や、飲食店などへの夜8時までの時短営業要請を継続することで一致しました。

5日午前、専門家らが集まる諮問委員会が開かれました。終了後、メンバーの1人である日本医師会の釜萢敏(かまやち・さとし)常任理事は「2週間という期間がどうなのかと。『もう少し長い時間の延期をした方が良い』という意見も出ました」と明かしました。

5日午後11時ごろ、政府の分科会の尾身会長は、国や自治体が取るべき行動として、7つの対策を提言しました。中でも繰り返し言及したのが、「サーキットブレーカー」です。電流が過度に流れた際に、ブレーカーが自動で落ちる仕組みに例え、感染の再拡大を事前に遮断する仕組みが必要だと訴えました。


■お花見クルーズ 問い合わせ減

一方、宣言の影響で早くも影響が出ているところがあります。毎年、桜が咲く時期に目黒川を遊覧する「お花見クルーズ」です。運行開始は3月20日で、延長で宣言期間と重なってしまい、予約の問い合わせが減ったといいます。

目黒川花見クルーズ運営
「ギリギリになって(さらに)延長、延長と繰り返されていくことを、業界のメンバーはみんな心配しています」

宣言延長に伴い、ジャニーズ事務所は解除になるまで、主催コンサートを中止すると発表しました。


■変異株 全国で新たに17人感染

全国で確認された新規感染者は、5日午後11時の時点で1149人でした。

厚生労働省によると、変異ウイルスの感染者が石川県で初めて確認されたほか、京都府で5人、岐阜県で3人、新潟県で2人など、全国で新たに17人の感染が確認されています。
これまでに国内で検出された変異ウイルスは、全国20の都府県で合計251人(検疫含む)となっています。

また、青森県も独自に、初めて変異ウイルスの感染者1人を確認したと発表しています。

(3月5日『news zero』より)

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