“津波バイオリン”思いを受け継ぐ音色
岩手県陸前高田市の復興のシンボルである「奇跡の一本松」の木片や、がれきから作られたバイオリンによる犠牲者追悼の演奏が行われました。
11日、明治神宮で行われた奉納演奏。メロディーを奏でるのは、がれきで作られた津波バイオリンです。
演奏を見つめる男性がバイオリンを制作した中澤宗幸さん。被災地でバイオリンに使う木を集め、奇跡の一本松の木片を一番大事な部分である魂柱にすえ、完成させました。
バイオリン制作家・中澤宗幸さん「これ(がれきの木片)が多くの方々の生活を支えた家であり、その木を形を変えて、また人々を慰める、励ます、そういう楽器になって、今度は形を変えて音色で人々を生かし」
人々の歴史が刻まれた木で作ったバイオリン。初めて演奏されてから、これまでに750人が弾いてきました。中澤さんは、この間、音色に変化が起きているといいます。
バイオリン制作家・中澤宗幸さん「最初は、その音は非常に粗い音でした。でも今は多くの方々の思いをいっぱい、その波動が伝わっているんですかね。とても優しい音と同時に力強い音が出ているように思います」
このバイオリンを1000人に弾いてもらうことを目指している中澤さん。世代をこえて、受け継いでいってほしいと話しています。