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共同声明に「台湾問題」明記 日米首脳会談

2021年4月17日 12:35

菅首相は日本時間17日未明、アメリカのバイデン大統領と日米首脳会談を行い、会談の成果を盛り込んだ共同声明に台湾問題を明記しました。

焦点の台湾問題をどう盛り込むのか。日米で温度差がありましたが、政府関係者は「最後は両首脳で議論をしたら予想以上にいい話ができた」と話しています。

菅首相「台湾海峡の平和と安定の重要性については日米間で一致しており、今回、改めてこのことを確認をいたしました」

バイデン大統領「日米は、自由で開かれたインド太平洋のために、中国・東シナ海・南シナ海・北朝鮮などの試練に、共に取り組む。日米はインド太平洋地域の2つの民主主義大国だ」

首脳会談の共同文書に台湾が明記されるのは1969年以来で、1972年の日中国交正常化以降では初めてです。共同声明には「日米両国は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と盛り込まれました。前半部分は先月行われた日米の外務・防衛閣僚協議と同じですが、今回の共同声明には「両岸問題の平和的解決を促す」という文言が加えられました。この表現は台湾問題に触れる場合の定型の政府見解で、外務省幹部は「この表現を後ろに付けることで、これまでの日本政府の姿勢と変わっていないというメッセージになる」と述べています。

中国が反発することは必至で、政府関係者は「中国とは対話を通じて問題の改善を求めていくしかない」と話しているほか、外務省幹部は「いずれにしてもこれからが大変だ。台湾有事の際に日本や自衛隊がどう動くのか、具体的に検討しなければいけない」と指摘しています。

また、共同声明には新疆ウイグル自治区の人権問題が初めて盛り込まれました。

今後、中国とどう向き合っていくのか、新たな課題が突きつけられたと言えます。