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「最低ステージ3」2週間で解除できる?

2021年4月24日 11:55
「最低ステージ3」2週間で解除できる?

「強い措置で短期集中」がキーワードになった、3度目の緊急事態宣言。期間は25日から5月11日までとなっています。4都府県は厳しい状況に置かれていますが、菅首相から解除の「具体的な出口」は示されませんでした。政府関係者らの発言から、五輪開催への思惑も見え隠れします。延長の可能性は――。

■前回の「宣言」解除から1か月

有働由美子キャスター
「今回の緊急事態宣言は、5月11日で本当に解除できるのでしょうか。政府の分科会の尾身会長は、『ステージ3が最低条件』と語りましたが…」

岩本乃蒼アナウンサー
「21日時点の4都府県の状況を、病床使用率、療養者数(人口10万人あたり)、陽性率(最近1週間)、新規感染者数(人口10万人あたり、最近1週間)の4つの指標でみてみると、兵庫はすべてステージ4、大阪と京都もほとんどがステージ4。東京も新規感染者数と療養者数はステージ4です。新規感染者数を実際の東京の人口で単純計算すると、ステージ3にするには1日の感染者数を少なくとも500人以下に、ステージ2にするには300人以下に抑える必要があります」

有働キャスター
「前回の解除の時もステージ3で、わずか1か月でまた宣言となったわけですが、ステージ3で大丈夫なのかと心配になります」

岩本アナウンサー
「前回の宣言の時も、東京はステージ2まで下げ切っていない状況で解除が決定されていました。尾身会長は『ステージ3に早く行って、なるべくステージ2の方向に行くことが求められる』と述べています。そして『ステージ3になっていなければ延長もあり得る』としています」


■「長くお願いできない」政府の本音

有働
「尾身さんは、ステージ3が解除の最低条件ということですが、菅首相の考えはどうなのでしょうか」

平本典昭・日本テレビ政治部記者
「23日の会見でも質問が出ましたが、菅首相の答えは『総合的に判断する』でした」

有働
「それは、何も言っていないに等しいですよね。それで、なぜ2週間で解除できると判断したのでしょうか」

平本記者
「専門家だけではなく、政府高官の1人も22日まで『2週間じゃ足りない』と話すなど、政府内でも、もう少し長くすべきという意見がありました。ただ、『強い措置で短期集中』が今回のキーワード。つまり、自粛疲れも広がる中で、厳しい自粛をそんなに長くお願いできないというのが、政府の本音です」

■組織委幹部「緊急事態に呼べない」

有働
「となると、今回は延長なしでスパッと解除するのでしょうか?」

平本
「そういう見方が多いです。もう1つ気になるのは、『今回は延長できないんだ』と言い切った政府関係者の言葉です。この関係者が気にしていたのが、5月17日から予定されているIOCのバッハ会長の来日です。今週半ばに組織委員会の幹部が政府に『緊急事態の東京にバッハ会長を呼ぶわけにはいかない』と伝え、理解を得ていたそうです。五輪に向けて『延長したくない』という思いも見え隠れします」

有働
「もしそうだとすると、本末転倒で理解を得られないと思いますけれども、この宣言の具体的な出口が示されなかったことに正直、不安や不満はあると思います。ただ結局、私たちの1人1人の行動が、誰かを助けるということだけは確かです。もう一段、切り替えていきましょう」

(4月23日『news zero』より)