“赤木ファイル”存在を国認め…妻の訴えは
森友学園をめぐる公文書改ざん問題で自殺した赤木俊夫さんが改ざんの経緯を記したとされる「ファイル」が存在すると、国が認めました。赤木さんの妻は先ほど会見し、ファイルに記された詳細を明らかにしてほしいと訴えました。
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財務省の公文書改ざんに関わったことを苦にして、自殺した赤木俊夫さん。6日、赤木さんの妻・雅子さんに、国からの回答が手渡されました。
自殺した赤木さんの妻・雅子さんは、「今まであるともないとも、訴訟にも関係ないとか、いろんなこと言われてきましたけど、やっぱり実際にあるんだと。夫が残したものが、まだ残っているんだという安心感があります」
赤木さんが改ざんの経緯をまとめたとされる“赤木ファイル”。その存在をようやく国が認めたのです。国有地が、およそ8億円も値引きされて売却された“森友問題”。値引きの背景には安倍前総理の妻・昭恵夫人と学園側との関係があるのではと批判され、財務省が手を染めたのが、昭恵夫人に関わる記述を決裁文書から消すなどした“公文書改ざん”でした。
財務省は、当時の佐川理財局長が事実上改ざんを指示したと、認定しています。妻の雅子さんは、当時の上司から「赤木さんは改ざんの詳細を記したファイルを職場に残していた」と聞かされていました。
国などを相手取った裁判の中で、この“赤木ファイル”の開示を求めてきましたが、これまで国は「裁判を争う上では必要のないもの」としてファイルの存在を明らかにしてきませんでした。
しかし、今年3月、大阪地裁が存在するかどうか国に回答を求めたことで、ファイルの存在を認める方針に転じたのです。改ざんの詳しい経緯が明らかになる可能性もある“赤木ファイル”。
雅子さんは、「夫は国側じゃなくて、ちゃんと国民の人の方を向いて仕事していたと思うんですよ。そういう人を助けずに、国の言うことを聞く人だけを助けるって、なんかどっかおかしいなと思います」
国は、「今後も真摯(しんし)に対応する」と回答する一方、「ファイルのどの部分を明らかにするのか検討に時間を要する」としています。
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雅子さんは、「夫は苦しみ抜いてそれ(ファイル)を残して、残していたことも苦しんでいたんですけど。最後にはそれを残してよかったと言っていた夫の気持ちをくんで、ちゃんと全部出してほしいなと思います」