日本にミサイル攻撃なら――「反撃能力」でどうなる? “抑止力”期待も条件あいまい…野党「先制攻撃のリスク大」 配備も課題
■「やむを得ない」場合なら攻撃可能に
岩本乃蒼アナウンサー
「政府が一貫して『持たない』としてきた反撃能力。日本はこれからどのように変わっていくのか、具体的に見ていきます」
「日本はこれまで、弾道ミサイルを撃ち込まれた場合、それを撃ち落す迎撃しかできませんでした。しかし今後は、攻撃を防ぐのにやむを得ない場合には、ミサイルの発射拠点などを攻撃することが可能になります」
板垣李光人さん(俳優・『news zero』金曜パートナー)
「少し前にも、北朝鮮が1日に何発もミサイルを撃ってきたことがありました。これまでは、どこかで『本土には落ちないだろう』と思っていましたが、状況は変わってきていて、この間はさすがに怖いなと感じました」
「今回、日本を守るために防衛力が整備されるという点については、安心につながる部分もあるのかなと思います」
■反撃する条件は?…専守防衛どうなる
岩本アナウンサー
「課題も指摘されています。日本は防衛に徹するという、専守防衛が変わるのかという点です。政府は、反撃能力とは『必要最小限度の自衛の措置』だとして、岸田首相も16日、『専守防衛は変わらない』と強調しました」
「ただ、政府は反撃する条件として『相手が武力攻撃に着手した時点』としていますが、この着手がミサイルを発射した後なのか、あるいは発射する前に兆候を捉えた時点なのか、あいまいにしています」
「野党は、相手が発射する前に日本が攻撃した場合、『先制攻撃とみなされるリスクが大きい』と批判しています」
板垣さん
「あいまいにしている部分があるというのはとても怖いですが、ロシアのウクライナ侵攻もあり、戦争のリスクを直視せざるを得なくなっているなとは感じます」
■新たなミサイル配備で…調整に課題
岩本アナウンサー
「その戦争のリスクについて、政府は日本へのミサイル攻撃が現実の脅威になっていると説明し、中国や北朝鮮、ロシアを名指しして『課題のある国』だとしています」
「岸田首相は反撃能力を持つことで、攻撃を思いとどまらせる抑止力になると期待しています。政府は反撃能力として、敵の射程の外から攻撃できるミサイルなどを導入する方針ですが、安全保障に詳しい専門家によると、課題もあります」
「笹川平和財団上席研究員の小原凡司さんは『ミサイルをどこに配備するのか、その自治体は本当に受け入れてくれるのか。ミサイルの飛距離を伸ばすのも1年や2年でできるものではなく、同盟国との調整にも時間がかかる』と指摘しています」
(12月16日『news zero』より)