苦境の自民 首相指名選挙を控え…国民民主へ“ラブコール” 政権維持に奔走
衆議院選挙での大敗を受け、自民党の水面下での動きが慌ただしくなっています。協力を求められた国民民主党の玉木代表は石破内閣との連立は改めて否定した上で、立憲民主党など複数の野党からも接触を受けていることを明かしました。玉木代表がにわかに今後の政局のキーマンとなりつつあります。
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29日午後7時ごろ、堅い表情で官邸を後にした石破首相。
29日朝、出邸した際には…
石破首相
「おはようございます」
笑顔を見せていましたが、与党過半数割れで苦境に立たされる中、その胸中やいかに…
29日、首相官邸では衆院選後、初の閣議が開かれました。
しかし、その閣僚の中には神妙な面持ちの人が…。落選した牧原法相と小里農林水産相です。閣議後、それぞれが進退について言及しました。
牧原法相
「閣僚の人事は首相が決めることであり、私から申し上げることは差し控えるが、いずれにしても、その間は法相として責務を引き続き果たしていく所存です。現時点で辞任の申し出はしていない」
一方、小里農林水産相は…
小里農水相
「議員としての身分を失う以上は、大臣としての役割を果たすことはできません。僕は当然辞任することになります」
満身創痍(そうい)な政府与党。その存続が決まる首相指名選挙が行われる特別国会は、来月11日に召集する方向で最終調整されています。
首相指名選挙は衆議院・参議院のそれぞれで別々に行われ、過半数を得た人が首相に選ばれます。
しかし今回、衆議院ではどの党も議席数が過半数を下回っているため、1党の力だけで特定の人を首相に押し上げることができなくなっています。
過半数に届く候補者がいない場合は上位2人の決選投票となり、より多くの票を獲得した方が首相となります。
政権を維持するため、野党側の協力を得たい石破首相は…
石破首相
「議席を大きく伸ばされた党がございます。それぞれの党の主張に対して寄せられた国民のご理解・共感、そういうものを謙虚に受け止め、取り入れるべきは取り入れることに躊躇(ちゅうちょ)があってはならないと考えている」
これは、大きく議席を伸ばした国民民主党を意識した発言だったのでしょうか。
複数の与党関係者は、「石破首相は国民民主党に対して、政策ごとに政権への協力を呼びかける考えだ」と話しています。
その“ラブコール”を受ける玉木代表は…
国民民主党 玉木代表
「自民党だけではなく、立憲民主党、あるいは維新もだと思うが、それぞれ幹事長・国対委員長、つかさつかさでいろんなコンタクト、情報交換をしていると報告を受けております」
複数の野党からもラブコールがあることを明かしました。
その上で…
国民民主党 玉木代表
「私たちが欲しいのはポストではなくて選挙で約束した手取りを増やす、国民の懐を潤す、経済政策の実現が欲しい。とにかく政策実現に全力を傾けるので連立入りすることはありません」
大臣のポストよりも目指す政策の実現が大事だと訴えました。
政権の形が定まらない中で、国民民主党の玉木代表は存在感を増しつつあります。
(10月29日放送『news zero』より)