都議選、中央政界の反応は…自民に衝撃も
任期満了に伴う東京都議会議員選挙の投票は、4日午後8時に締め切られました。今回の選挙について、中央政界の反応を国会から柳沢高志記者が伝えます。
■自民党内の反応は
自民党内では当初、「50議席は取れるだろう」という楽観論もあっただけに、それを下回りそうだとの情勢が伝えられ、「こんなに負けるのか」と衝撃が走っています。
自民党本部には、午後8時現在、二階幹事長や山口選対委員長らが入り、戦況を見守っています。党本部に入った自民党幹部の1人は険しい表情のまま、「厳しくなりそうだ」と記者団に語りました。
当初、都議選の序盤に自民党が行った情勢調査では、自民党は50議席以上を狙えるとの結果が出ていました。こうしたことから、政権幹部も「自公で過半数は、間違いなく取れるだろう」と語るなど、一時は楽観的なムードすら広がっていました。
しかし、雰囲気を一変させたのは小池都知事が過労を理由に静養を発表したことです。自民党の幹部職員は「小池さんへの同情票が都民ファーストに流れている。予想外の展開だ」と危機感をあらわにしました。
ある政権幹部は、数日前には「45議席は取れるだろう」と余裕を見せていましたが、4日になって一転、「何とか40議席は確保したい」と語りました。
こうした情勢を受け、自民党内では、秋までにある衆議院選挙への影響を心配する声が上がっています。ある自民党若手議員は「菅総理のままで衆院選を戦えるのか、という声は出てくるだろう」と指摘しています。
■野党側の受け止め
ある立憲民主党幹部は「小池百合子、恐るべし」と語り、都民ファーストの勢いが予想以上だったことを強調しました。
今回の選挙戦では、立憲民主党と共産党は多くの選挙区で候補者が競合しないようにすみ分け、事実上の選挙協力を行いました。こうした戦略が功を奏して、両党は堅調な戦いをしていますが、立憲民主党幹部は「ここにきて都民ファーストと立憲・共産が競り合う展開となっている」と指摘しています。
野党にとっても、今回の選挙が衆院選に向けた選挙協力の試金石となるだけに、その結果に注目しています。