「スッキリ」差別表現は「放送倫理違反」
日本テレビの情報番組「スッキリ」の中で、アイヌ民族を傷つける不適切な差別表現があったことについて、BPOの放送倫理検証委員会は「放送倫理違反があった」とする意見書を公表しました。
この問題は、ことし3月放送の「スッキリ」の中で、アイヌ民族の女性をテーマにしたドキュメンタリー作品を紹介した際、不適切な差別表現があったものです。
BPOの放送倫理検証委員会はプロデューサーら10人からのヒアリングを含む調査の結果、「番組のスタッフの間にアイヌ民族やアイヌ差別に関する基本的知識が決定的に不足していた」と指摘しました。
その上で、問題が起きたコーナーには専任の担当者がいないなど
「隙だらけのチェック体制」であり、「最終チェック体制が極めて甘かった」などとして、放送倫理違反があったという判断を下しました。
BPO・放送倫理検証委 小町谷委員長
「悪意さえなければ差別ではないという誤った感性が育まれないように、改めてこうした教育の問題であったりとか、感度を磨く問題であったりについて向かっていっていただきたいと思います」
日本テレビは「本日のBPОの意見を真摯に受け止め、今後の番組制作にいかし、再発防止に努めてまいります」としています。