河野氏「再稼働が現実的」…“脱原発”封印
■「日本を前に進める」政策発表
河野太郎ワクチン担当相は10日午後4時、会見を開きました。
会見15分前、予定より早く姿を現し、カメラのフラッシュを浴びました。「早かったな」と話し、一度、会場を後にしました。
会見が始まると、「このたびの自由民主党の総裁選挙に立候補いたします」と述べ、正式に出馬を表明しました。
「皆さんと一緒に笑い、皆さんと一緒に泣き、皆さんの思いを受け止め、皆さんに共感していただける。そんな政治を通じて、人が人に寄り添う、温もりのある社会をつくっていきたいと思っております」
「皆さん」という言葉を強調しました。
パンフレットのキャッチフレーズは「日本を前に進める」。ただ、掲げる政策の中には、これまで主張してきた「脱・原発」はありませんでした。
河野氏は「再生可能エネルギーを最大限、最優先で導入していく。それでも足らないところは、安全が確認された原発を、当面は再稼働していく。それが現実的なんだろうと思っております」と説明しました。
これまで容認も含めた議論が必要だとしていた、女系天皇の検討には言及しませんでした。
■“異端児”に派閥の支持は?
過激な言動から、党内で異端児と呼ばれてきた河野氏。立候補に理解を求めるため、安倍前首相や、所属する派閥トップの麻生副総理と面会を重ねてきました。
――派閥の麻生会長の支持を得られたという風にお考えでしょうか?
「(麻生)会長からは激励をいただきましたので、支持を得ていると思っております」
しかし麻生派の幹部は10日、河野氏または岸田氏の支持を原則とすることを確認しました。
■目指す政治家像は…高市氏“ハシゴ出演”
総裁選では、これまでに3人が立候補を表明しました。
高市早苗前総務相は10日、朝からテレビやラジオへの出演をハシゴしました。
目指す政治家像として、イギリス初の女性の首相で「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーさんを挙げ「『これが国家のために絶対必要だ』と思ったら、信念を持って取り組む。そういう姿勢が大好きです」と話しました。
■岸田氏「インスタライブ」配信
岸田文雄前政調会長は10日夜、インスタグラムでライブ配信を実施。
――「ふみきゅん」ってあだ名、嫌ですか?
「はい、好きです。ぜひ使ってください。お願いします」
――筋トレメニュー、知りたいです
「はい、筋トレ。腕立て、腹筋から始めて…」
500件以上寄せられた視聴者の質問を自ら読み上げ、答えていきました。
■野党「総裁選で政治空白」批判
こうした中、野党は、総裁選が終わる9月末まで政治空白が続くと批判。その間に取り組むべき新型コロナウイルス対策の緊急提言を10日発表しました。
立憲民主党・枝野代表
「コロナ対策が棚上げされた状況で、ここからさらに3週間続くというのはとても考えられないことであります」
低所得世帯への1人10万円の給付や、新たな持続化給付金などのほか、自宅療養患者らの容体悪化に即応できる医療体制づくりなどが盛り込まれています。
さらに教職員へのワクチン優先接種や、感染拡大地域で生徒にPCR検査を行うことなど、教育現場への配慮も必要だとしています。
(9月10日『news zero』より)