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総裁選 麻生派「河野か岸田支持を原則」へ

2021年9月11日 14:17
総裁選 麻生派「河野か岸田支持を原則」へ

自民党の総裁選挙をめぐり、10日、河野ワクチン担当相が立候補を正式に表明。河野氏は自らが所属する麻生派幹部に出馬への理解を得るべく足しげく通ったものの、支持の取り付けには至らず。麻生派は総裁選への対応で派が割れることが確実視されている。


■突然届いた「報告会」のお知らせ 参加議員からは河野氏への注文も

10日午後4時から行われた出馬会見からさかのぼること2時間。河野氏は麻生派議員に対して総裁選への立候補を報告する会合を開催していた。前日夜に、各議員の議員会館にFAXが送られ、多くの議員は当日朝になって報告会の開催を知ったという。

急きょ設定された派閥議員への報告会。その場では河野氏と、会見などでの姿勢や官僚との向き合い方を疑問視する若手議員との間で、こんなやりとりが交わされたという。

麻生派若手議員「『はい次、はい次』という物の言い方は地元でも評判が悪いので、直してほしい」

河野氏「態度や言い方については気をつけたい」

集まった議員からは「派閥で一致して河野氏を支援するべきだ」という意見も聞かれたという報告会。しかし、その場に麻生副総理や甘利税調会長など麻生派幹部らの姿はなかった…。


■報告会の裏で開かれた幹部会合「河野or岸田支持を原則」へ

麻生派議員への報告会と同時刻の財務省。麻生氏のほか、甘利氏や鈴木前総務会長ら派閥幹部の面々がそろっていた。報告会には参加せず、総裁選への対応を協議するため会合を開いていたのだ。そこでは、既に河野氏ではなく岸田氏を支持する意向を示している甘利氏らが、こう切り出したという。

甘利氏「河野氏での一本化はやめてほしい」

これを受けて、幹部会合では、「河野氏or岸田氏支持を原則としつつも、個別の事情でほかの候補者を支援することも容認する」という方針を確認。最終調整を経て、週明け以降に派閥の総会を開き、こうした方針を示す見通しとなった。

麻生派内では、若手や中堅議員を中心に河野氏支持、幹部陣を中心に岸田氏支持に分かれる一方、一部には高市前総務相を支持する保守系の議員もいることから、会合に出席したある派閥幹部は、「実質的には自主投票だろう」とこぼす。


■「1回目は河野でも2回目なら別の人」 決選投票も見据え…

そして、派閥の領袖たる麻生氏。側近議員が「情勢を見ながら悩んでいると思う」と話すなど、いまだ支持する候補を明らかにしていない。ある麻生派幹部は「本当は河野氏を支持したい親心が透けて見える」と麻生氏の心情を推察する。

しかし、その一方で、この幹部は「麻生氏は、1回目の投票は河野だとしても、1回目の投票で決まらず決選投票になるなら、2回目の投票は別の人だろう」とも指摘する。

2012年の総裁選では、1回目の投票では石破氏が安倍氏を上回ったものの、過半数の獲得には至らず、決選投票で安倍氏が「逆転」勝利した経緯もある。

派閥幹部によると、麻生氏本人は総裁選について、こう話しているという。

麻生氏「決選投票も含めた二段構えの対策を考えないと総裁選には勝てない」

3人以上の候補者で争うことが確実となった自民党総裁選。決選投票になった場合、一致結束して動くことはできるのか? 麻生派の動向が注目される。