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平均所得どう向上?…総裁選4候補の政策は

2021年9月18日 16:17
平均所得どう向上?…総裁選4候補の政策は

自民党総裁選が17日告示され、河野太郎ワクチン担当相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4人が立候補しました。有働由美子キャスターが、国民の平均所得をどう向上させるかを聞きました。

【「ポスト菅」4候補×有働由美子(3)】

■岸田氏「口座ひも付けへ工夫を」

有働由美子キャスター
「新型コロナウイルスの影響で苦しむ低所得世帯などへの10万円再給付についてお尋ねします。河野さん以外の3人は賛成です」

河野
「給付は必要ですが、金額は精査しなければいけません」
 
有働
「岸田さんは(政調会長として)30万円給付を提起された時も苦労されました。どう10万円を速やかに給付しますか?」

岸田
「困っておられる方への現金での直接支給は大事です。ただ『速やかに』という点では、去年から銀行口座のひも付けなどが進んでいません。既にひも付けができた低所得の方がいますが、そこから外れる方は工夫が必要です」

有働
「低所得というのは、年収でいうとズバリどのくらいをイメージしている?」

岸田
「具体的に所得で区切るのか、子育て世代や非正規など立場で線を引かなければならないと思います」

■迅速給付へ河野氏「データ整備を」

有働
「河野さんの年収のイメージや、方法は?」

河野
「まず子どもの貧困を防ぐため、ひとり親世帯が(対象に)あるだろうと思います。コロナで仕事がなくなった自営業の方もいらっしゃいます。さまざまなことを小まめに見ながら対応しないといけません」
 
有働
「時間がかかりますね」

河野
「いえ、本来はきちんとデジタル化したデータがあります。所得が低い方、子どもがいる世帯への1人5万円を、申請なしで政府がプッシュ型で給付しました。データが整備されれば、ニーズに応じた支援が可能になりつつあります。それをしっかり進めるのが大事です」

有働
「いつごろできますか? 年内?」

河野
「なるべく早くにと思います。デジタル庁が立ち上がりましたので。民間の力も借りて、それができるように、速やかにやりたいです」

■社会保障の給付水準と負担は?

有働
「続いて、私たちのお金と暮らしです。年金や医療などの社会保障への考え方をお尋ねします。国民の負担を増やしても、給付などの水準を維持すべきか。あるいは、水準を下げて負担を抑えるべきか」

河野
「こういう質問は、やめた方がいいと正直、思います。あまり意味がないかなと」

有働
「河野さんはお答えなし、高市さんと野田さんが給付維持、岸田さんが真ん中でした」

■デジタル庁「60秒以内」は可能?

有働
「デジタル庁は『すべての行政手続きがスマホで60秒以内にできる』とうたっていますが、2年以内に実現できますか? 河野さんと高市さんは『できない』、岸田さんは『できる』、野田さんは真ん中でした」

■所得増へ高市氏「大胆な投資」

有働
「1世帯あたりの平均所得額は約552万円です。ご自身が掲げる経済政策で、3年以内に600万円台へ上げられますか? 河野さんは『実現できる』『できない』の真ん中を示し、他の3人は『できる』でした」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「額の推移を見ると、1994年は最も高い664万円でしたが、その後は減っています。2013年、アベノミクスが始まった時は529万円。データ上、最も新しい2018年には552万円とやや上がりましたが、ピーク時からは100万円以上も低いです」

有働
「20年以上も伸び悩んでいます。『600万円を目指せる』と答えた高市さんにお尋ねします。アベノミクスでも、データ上6年で約20万円しか上がりませんでしたが、3年で50万円近くも可能ですか?」

高市
「それを目標に、日本経済強靭化計画を発表しました。達成まで、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を一時凍結。かなり大胆な投資で、所得と雇用の増加を目指します」

■河野氏「法人減税」来年度にも

有働
「河野さんは、利益を社員に還元する企業は法人税を減らすと訴えています。時期や幅は?」

河野氏
「法人税を下げることで株主の理解も得ながら、賃金を上げられるようにしたいです。できればすぐ、来年度くらいからスタートさせたいです」

「600万円まで行くように努力はしたい。ただ実際に3年以内にどこまで行くか、現時点では申し上げにくいです。また、平均所得と中間値をどう考えるか。お金持ちがいれば平均は上がりますが、全体の底上げも考える必要があります」

有働
「岸田さんは『令和版所得倍増計画』を掲げます。1000万円くらいまで伸ばしますか?」

岸田
「所得を伸ばすことは大事です。看護師や介護士、保育士の所得、公的価格を上げるため国がリードします。平均を上げるのも大事ですが、低所得者層の所得を広く引き上げるのが大事で、それで経済を回していくと強調したいです」

■岸田氏「中所得者層へ手厚く」

小栗
「岸田さんは格差の解消へ、子育て世帯への住居・教育費を支援するという主張ですね。額や財源は?」

岸田
「中所得者層の大きな負担が教育費と住居費なので、手厚くします。ただ、さまざまな政策で格差解消を目指すので、これだけでいくらとは言っていません。財源は、全体の予算配分もあります。一時的な国債での調整は十分考えられます。いきなり増税は早すぎるのではないかと思っています」

(9月17日『news zero』より)