論功行賞色濃い人事…官房長官は松野氏内定
自民党の岸田新総裁は、党役員人事を固めました。新たに官房長官に松野元文部科学大臣を起用する方針を固めました。
ここまでの人事では、安倍前総理や麻生副総理への配慮と、総裁選の論功行賞の色が濃く、この後の閣僚人事でどれだけ改革のイメージを打ち出せるかが焦点です。
30日夕方、内閣の要の官房長官に松野元文部科学大臣の起用が固まりました。そして党人事ですが、岸田新総裁は幹事長に甘利明税調会長、政調会長に高市早苗前総務大臣、総務会長に当選3回の福田達夫衆議院議員を起用する意向を固めました。
選対委員長には遠藤利明元オリンピック・パラリンピック担当大臣、国対委員長に高木毅衆議院議院運営委員長が内定しました。
甘利氏は安倍前総理と麻生副総理に近く、高市氏は安倍前総理が総裁選で支持。官房長官の松野氏や福田氏、高木氏は安倍前総理の出身派閥の細田派です。
総裁選で争った河野ワクチン担当大臣を、党役員の中でもこれまでは重要ポストではなかった広報本部長で起用する一方、総裁選で岸田氏の選対本部長を務めた遠藤氏を選対委員長で起用するなど、論功行賞の色が濃い人事となっています。
岸田氏は周辺に対し、人事の狙いについて、「甘利氏は信頼関係がある。高市氏はディベート力を評価した。河野氏については発信力を総選挙で生かしてほしい。福田氏の起用はあえて若手を入れて一緒に党改革を進めたいという狙いだ。この人事は評価してほしい」と話しています。
一方、自民党幹部によりますと、岸田氏が来月4日に召集される臨時国会について、会期を10月14日までとする方針を固めたことが分かりました。自民党幹部は「衆議院を14日に解散し、衆議院選挙は26日公示、11月7日投開票になるだろう」と話しています。