【全文】自殺者数2年ぶり増加「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を」 官房長官会見(1/20午前)
松野官房長官は20日午前の会見で、自殺者数が2年ぶりに増加したことについて、「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的な対策を推進してまいりたい 」と述べました。
<会見トピックス>
▽閣議概要
▽2022年の自殺者数
▽消費者物価指数
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。
政令、人事が決定されました。
大臣発言として、総務大臣臨時代理たる高市大臣から、消費者物価指数についてご発言があり、私から第 211 回国会に提出予定の法律案等について申し上げました。私からは以上です。
――2022年の自殺者数は2年ぶりに増加し、2万1584人となったことが、警察庁統計に基づく厚労省まとめでわかりました。年金受給者や失業者の男性の自殺が目立ち、専門家は経済状況の悪化や多くの人が働く中小企業に保健師や産業医がいないケースが多いことなどの問題を指摘しています。受け止めや自殺者減少に向けた今後の政府対応について伺います。
○松野官房長官
本日公表された令和4年の年間自殺者数の速報値は2万1584人であり、前年を577人上回りました。1月から11月までの暫定値の状況においては、年代別では40代から60代の中高年男性を中心に増加し、職業別では失業者や年金、雇用保険生活者を中心に増加していると承知をしております。なお、今後公表される確定時までは人数が変動する可能性があること。また、速報値段階では年代や原因、動機などの詳細を把握できていないため、今後、関係省庁において、分析を深めていくものと承知をしています。政府としては、昨年10月に閣議決定された新たな自殺総合対策大綱の下、自殺を考えている方に対する電話やSNS相談体制の拡充を努めるほか、やむを得ず職を失った方へのきめ細やかな就労支援や生活資金でお悩みの方への支援などを行っています。引き続き関係省庁等が連携し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的な対策を推進してまいりたいと考えております。
――消費者物価指数について伺う。先月の上昇率は1981年12月以来の水準となったが認識を伺う。41年前の当時は賃上げが物価上昇を上回っていたが、現在は、実質基準の下落が長期化し、下げ幅も大きくなっている。賃上げに向けた政府の取り組みと、春闘への期待を伺う。
○松野官房長官
本日、公表された、12月の消費者物価指数は総合で前年同月比+4.0%、生鮮食品を除く総合で前年同月比+4.0%となりました。内訳をみるとこれまでの原材料価格の上昇や円安の影響により光熱費や食料品など日常生活に密着した品目で、値上げが続いている状況であります。政府としては目下の物価高に対する最大の処方箋は、物価上昇に負けない構造的な賃上げを実現することと考えています。総合経済対策において、価格転嫁対策や中小企業の支援等により、その取り組みを後押しするとともに賃上げと労働移動の円滑化、人への投資という3つの課題の一体的改革に正面から挑み構造的な賃上げを実現してまいりたいと考えています。また、春闘に関するお尋ねだが、賃上げ自体は各企業の支払い能力を踏まえながら個別に労使が交渉し、合意したうえで決定されるべきものであるが、そうした中での最大限の賃上げを期待したいと思います。