【全文】「選挙中の卑劣な暴力行為、断じて許されない」官房長官会見(1/13午後)
安倍元総理の銃撃事件で検察が山上容疑者を殺人などの罪で起訴した。松野官房長官は13日午後の会見で、「選挙中の卑劣な暴力行為は断じて許されるものではない」と述べた。
<会見トピックス>
▽山上容疑者起訴
▽国葬のルール
▽国会審議
▽日韓関係
▽新型コロナウイルス
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――安倍元総理の銃撃事件について伺います。検察は山上容疑者を殺人などの罪で起訴しました。受け止めと社会に大きな衝撃を与えた今回の事件についての認識、浮き彫りとなった警備や火薬銃器規制などの課題への対応を伺います。
○松野官房長官
ご指摘の事案について、検察当局は本日被疑者を殺人等の事実により奈良地方裁判所に公判請求したものと承知していますが、個別の事件における検察当局の事件処理について、政府として所感を述べることは差し控えさせていただきます。
その上で申し上げると、自由で公正な選挙は民主主義の根幹をなすものであり、選挙の中での卑劣な暴力行為は断じて許されるものではありません。
卑劣な暴力行為によって安倍元総理が亡くなられるという重大な結果を招いたことについては、大変重く受け止めるべきであり、警察において警護に関する検証見直しを行った結果、もっぱら都道府県警察の責任で警護を実施してきた仕組みに限界が生じていたことが明らかになったため、警察庁の関与が抜本的に強化されるなどした新警護要則が昨年 8 月 26 日に制定されたところであります。これを受け、警察庁において警護上の危険度の評価、警護計画案の審査、体系的な教養訓練計画の作成等を直接実施するなど、新たな制度にも基づく警護措置が実施されているものと承知しています。また、事件を受け、警察ではサイバーパトロール等を通じてインターネット上に流通する銃砲等に関する情報収集を強化しており、こうした得られた情報に基づき、違法な銃砲等の製造、取引等の取り締まりに努めているものと承知しています。
引き続き、手製の銃砲等による事件の発生を防止するための取り組みを進めていくとともに、本年は統一地方選挙や G 7 サミット等の大規模行事が予定されているところ、警察において新警護要則に基づく措置を引き続き確実に講じるなどして、警護に万全を期していくものと認識しています。
――国葬のルール作りについて。長官は本日、衆院議院運営委員会の理事会で、政府がとりまとめた国葬検証の論点整理について説明されたが、これを受けた今後の国会での議論に期待することについて伺います。また、岸田総理は国葬実施に関し一定のルールを設けることを目指すと表明されていますが、国会での議論も含め、国葬のあり方をどのように今後検討していくのか、スケジュール感も含めて伺います。
○松野官房長官
昨年末に取りまとめた故・安倍晋三国葬儀に関する論点整理について、本日開催された衆議院議院運営委員会理事会に報告をしました。国会における今後の取り扱いや議論について、政府の立場からコメントすることは差し控えたいと思います。今後のスケジュールや一定のルールの在り方については、現時点で予断を持つことなく、まずは今回の論点整理も踏まえ、国会との関係など、どのような手順を得るべきなのか、引き続き検討してまいりたいと考えております。
――今回、参院で報告しなかった理由はなぜなんでしょうか。
○松野官房長官
昨年末に論点整理を行った際に、衆議院、参議院の関係議員には内容に関してはすでにお届けをしておりますが、本日の議運理事会での報告は衆議院からの要請に応じて行ったものです。
――通常国会について伺います。松野長官は先ほど衆参の議院運営委員会理事会で通常国会を23日に召集する政府方針を伝えました。今国会には防衛費増額の財源確保に向けた特別措置法案や入管難民法改正案、日本学術会議法改正案など与野党対決型の法案が提出される見込みですが、国会審議に政府として、どう臨む考えなのか伺います。
○松野官房長官
本日、衆議院および参議院の議院運営委員会理事会において次期通常国会を1月23日に召集させていただくことをご説明し、先ほど持ち回り閣議において、1月23日に第211回通常国会を召集する旨決定しました。提出予定法案等は現在調整中でありますが、いずれにしても、政府としては、それぞれの法案等についてしっかりとご説明するとともに、国会審議に誠実に対応してまいりたいと考えております。
――日韓関係についてお伺い致します。昨日ですね、韓国の韓日議連の10人のメンバーが来日しまして、本日、日本側の議連の方と懇談したという報道がありました。午後にですね松野長官と面談するという報道があったんですけども、もう面談をされましたでしょうか。
○松野官房長官
訪日中の鄭鎮碩韓日議連会長と同議連の一行と本日夕刻に面会する予定であります。
――関連で伺う。韓国の朴振外相と今、アメリカにいる林外相が電話会談をし、新年の挨拶をした。ここで徴用工訴訟について話題が出たのかもしれないという報道があったが、本日夕方の長官も韓国からの議連のメンバーが来日して会談するときにはこういう問題が出ると思うが、徴用工問題についてどのように伝えるつもりか。
○松野官房長官
特定の議題があるわけではなく、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思いますが、お尋ねの点につきましては外交当局間の意思疎通を継続をしているところであります。
――昨日新型コロナウイルスの感染による1日当たりの全国の死者数が過去最多となりました。
また、先月全国の警察が扱った遺体のうち、新型コロナウイルスへの感染が確認された人は901人で過去最多となっています。コロナによる死者数が増加している現状について、ご所見をお願いします。
○松野官房長官
新型コロナの直近の感染状況については、新規感染者数や感染者数や重症者数は増加傾向、病床使用率も上昇傾向にあり、それぞれ高い水準にあります。また死亡者数も増加傾向が継続し、これまでの最高値を超える状況が続いています。死亡者においては、80代以上の高齢者の占める割合が、引き続き高くなっています。今後については、検査件数が減少する年末年始や3連休が終わったところであるので、その影響も念頭に置きながら、引き続き注視していく必要があるとかんがえています。政府としては引き続き、自治体等の関係者と連携し、保健医療体制の確保や、ワクチン接種の促進に取り組む他、高齢者施設等の従事者に対する集中的検査の実施を支援するため、国から都道府県に検査キットを配布するなどハイリスク者に重点を置いた対策に取りくんでいきます。
国民の皆様におかれても、適切なマスクの着脱、手指消毒、換気など、基本的な感染対策の徹底をお願いをしたいと考えております。
――コロナの長官のお答えに関連するが、日本はワクチン接種率、マスク着用率が世界でもトップクラスとなっている。こうした状況においても死者が増えていることもあって、亡くなった方のワクチン接種回数等の公表を求める声が上がっている。こうした求めについてはいかがお考えか。
○松野官房長官
昨年9月の全数届け出の見直しにより、全ての陽性者や死亡者のワクチン接種状況等を網羅的に把握することができなくなっているところであります。
このため、ワクチン接種回数や接種率との関係について分析することは直ちには困難であると承知をしております。