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宣言発出は?“基準”めぐり尾身会長「重篤度も考慮」「医療機能不全前に宣言も」

2022年2月1日 13:19
宣言発出は?“基準”めぐり尾身会長「重篤度も考慮」「医療機能不全前に宣言も」

東京都が緊急事態宣言の国への要請を検討する基準の「病床使用率50%」が迫る中、政府分科会の尾身茂会長は宣言発出の基準について「重篤度も考慮して総合的に判断する必要がある」「医療機能不全が想定されれば、実際に機能不全が発生する前に緊急事態宣言を出すオプションもあり得る」などと述べました。

衆議院予算委員会で1日、立憲民主党の柚木道義議員は、緊急事態宣言の発出の条件などについて尾身会長にただしました。

尾身会長の発言(概要)は以下の通りです。

立憲民主党・柚木道義議員
「国として明確でわかりやすい基準というものは、専門家の視点からすれば、どういったものが考えられるんでしょうか」

政府分科会・尾身茂会長
「緊急事態宣言の発出には、レベルの分類を参考にしながら、コロナ病床や、重症病床の使用率だけではなく、ECMOの使用をはじめ、入院者の重篤度も考慮して総合的に判断する必要があると思います。今後、まん延防止等重点措置の効果も見つつ、重症者の増加も含め、医療機能不全が想定されれば、実際にその機能不全が発生する前に、緊急事態宣言を出すオプションもあり得ると思いますが、仮に緊急事態宣言を出すのであれば、私も最低2つの点が大事だと思います。1点は、オミクロン株の特徴に合わせた効果的な対策とは一体何なのかということ、2番目は人々の権利や社会経済活動をどこまで制限することを含めて、社会的なコンセンサスが必要だと思います」

「今、多くの日本の社会の人々がある意味じゃ一方の人々はこれもうインフルエンザと同じじゃないか、そういう人がいて、一方で、もう緊急事態対応を出すべきだと、同じ現象見ていても、ある意味では非常に両極端の意見が実際にあるということで、その中で私は基準というものも、これは(宣言を)出すときには当然必要で、その時には『総合的』ということはこれはもう当然のことで、一つの指標は全体の部分の一部しか表しませんから、当然、総合的な指標というのはもう多分これは多くの人のコンセンサスだと思います」

「そういう中で、私は今一番大事なことは、オミクロン株で今こういう状況になっている。これが今までのデルタ株(インド型)と何が違うのか、どういう特徴があるのかということをしっかりと私は分析することは我々専門家の最も重要なことだと思います。そういうことが今のところは必ずしも国民社会の中では理解されてないからこういうことが起きてるわけで」

「オミクロン株はいったいどこが今までと共通でどこが違うのかという、現場で何が起きてるのか。それは例えば今までは飲食店が中心の対策が取られたけども、これは飲食店だけの対策ではもうこれは効果がないことは、我々専門家はそう思ってる。最初に、去年のクリスマス、それから今年の成人式で感染が、若い人が中心になったのが、これを契機に、今いろんなところに感染が広がっている。高齢者にもいってる、学校にいってる、家庭にもいってるということで、こういう状況をまず認めて、その中で重症者としてどう対応するのか、あと子どもに対してどう対応するのか。今、社会機能どうするかと、こういう問題をしっかりと明確にした上で、対策をどうする。仮に緊急事態宣言をするのは、そうした基準、そういう考えが今一番求められているんじゃないかと思います」