オミクロン特徴踏まえた対策 専門家が提言
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、専門家の有志が政府に対し、「感染が急拡大した場合は、若年層で重症化リスクの低い人については、必ずしも医療機関を受診せず、自宅での療養を可能とすることもあり得る」など、オミクロン株の特徴を踏まえた対策についての提言を21日に提出しました。
政府分科会の尾身会長ら専門家の有志21人による提言は、「重症者率が低くとも感染者数が膨大になれば、一定程度の重症者が発生する」として、「感染が疑われる全ての人が検査・診療のために医療機関を利用すれば、地域の医療提供体制のキャパシティーを超えてしまう。実際に沖縄県では、医療の機能不全が生じつつある」などと指摘しました。
その上で、「オミクロン株は、デルタ株などこれまでの新型コロナウイルスとは異なる感染症と考えるべき」として、「基礎疾患や肥満を有しない50歳未満の人の多くは、感染しても症状は軽く、自宅療養で軽快している」などとして、「軽症者には効率的に、ハイリスク者にはきめ細かく療養者支援や医療提供を実施して頂きたい」などと、医療をリスクの高い人に集中させるよう提案しています。
また、「効果的な対策」については、「一律かつ広範な“人流抑制”という方法もあるが、感染リスクの高い場面・場所に焦点を絞った接触機会の確実な低減のための“人数制限”が適している」として、社会経済活動への影響を少なくしながら対策することを求めました。
その上で、「知事の判断により“人流抑制”を加味することもあり得る」という文言も盛り込まれました。
提言は、今後について「このまま、感染が急拡大した場合には、外来医療の機能不全を防止するために、若年層で重症化リスクの低い人については、必ずしも医療機関を受診せず、自宅での療養を可能とすることもあり得ると考える」と提案しました。
専門家が議論する中で、「若い世代は検査せず診断」という文言を入れるかも検討されましたが、検査せずに就業を制限したり、検査の抑制だと誤解されたりしないよう、この表現になったということです。