×

「油断や慢心があった」自民党知り尽くす元幹部職員が指摘 パーティー券問題

2023年12月20日 19:29
「油断や慢心があった」自民党知り尽くす元幹部職員が指摘 パーティー券問題
自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る問題は岸田政権を揺るがしています。自民党を知り尽くす元幹部職員が取材に答え、自民党に「油断や慢心があった」と厳しく指摘しました。

   ◇

安倍派・二階派、2つの派閥事務所に行われた“強制捜査”から一夜。二階派の小泉法相は20日、二階派を退会したと明らかにしました。

自民党・二階派 小泉法相
「国民の目からみたときに誤解生じないようにしようと、そういう考え方で派閥を退会することに致しました」

検察に対する指揮権を持つ法相を、捜査を受ける二階派の小泉氏が務めるのは不適切との声が上がっていました。

同じ二階派に所属している自見地方創生担当相は…

記者
「派閥を退会するお考えはありますでしょうか?」

自民党・二階派 自見地方創生相
「…」

記者
「続投の意思は変わりませんか?」

自民党・二階派 自見地方創生相
「…」

一方、安倍派を巡っては、会計責任者が特捜部の任意の事情聴取に対し、所属議員にパーティー券収入のノルマ超過分をキックバックしていたことについて、「収支報告書に記載しないといけないことはわかっていた」などと、不記載を認める供述をしていることが関係者への取材でわかりました。

会計責任者が違法性を認識しながら、長年にわたり組織的に不記載を続けていた可能性もあるとみられています。

政界を揺るがす“政治と金”の問題。

永田町を知り尽くす、自民党の元事務局長、久米晃氏が取材に答えました。久米氏は40年近く自民党で選挙対策を担い、“選挙の神様”と呼ばれる人物です。

今回の政治資金パーティー問題については…

自民党・元事務局長 久米晃氏
「やはり限度を超えています。おごりだったり、油断だったり、慢心だったり、野党がだらしないとか、いろいろな理由があると思います。自民党は結構苦戦しても政権交代が起こるわけがないよなという、一つの油断、慢心じゃないですか」

さらに、岸田政権の解散戦略を巡っては…

自民党・元事務局長 久米晃氏
「岸田総理に対する信用・信頼を失っているから、何を言っても『何言っちゃっているの?』って話になるわけじゃないですか。まず、諸課題が一体何なのかということをもう一度総ざらいして、まず、結論を出せるものから早めに出して、信用・信頼を回復して、それで初めて本当の政策的なことに対して、この人の言っていることだったら間違いないよなと、そういう気を持ってもらわなければ選挙なんか打てません」

――このままの状態で行けば、岸田首相の総裁再選は?

自民党の元事務局長 久米晃氏
「ありませんね」

――厳しいですね

自民党の元事務局長 久米晃氏
「常識ですよ」

政権発足以来、最低水準の内閣支持率が続く岸田政権。岸田首相は、今後、政治資金規正法の改正も含め検討する考えですが、国民の信頼は取り戻せるのでしょうか。