「可決する力はない」それでも内閣不信任案を出す構え…なぜ? 解散の「大義」に…
解散の引き金となり得る内閣不信任案について、立憲民主党は16日の金曜日か、週明け19日の月曜日に提出する構えです。一方で、安住国対委員長は「我々に可決するだけの力はない」とも話していました。それでもなぜ出す構えなのでしょうか?
◇
有働由美子キャスター
「素朴な疑問なんですけど、今、野党は少数なので、内閣不信任案を国会に提出しても否決されますよね。それなのに、なぜ出すのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「立憲民主党の安住国対委員長は、『我々に可決するだけの力はない』と言っていました。それでも内閣不信任案を出す構えなのは、与党との対立姿勢を鮮明にして、存在感をアピールするためなんです」
有働キャスター
「否決されてもアピールになるんですか?」
小栗解説委員
「それだけ、内閣不信任案は重いものなんです。仮に、可決するようなことがあれば、憲法69条で『10日以内に衆議院を解散』するか、『総辞職をしなければならない』と定められています。戦後に4回、内閣不信任案が可決され、いずれも時の首相は衆議院を解散し総選挙となりました」
「また、仮に否決されたとしても、『今の内閣ではダメだ』と野党側からNOをつきつけられたわけで、『そのままでは政権基盤が弱まりかねない。本当に野党の言うとおりかどうか、国民の皆さんに聞いてみようじゃないか』ということで、解散に踏み切る際にはその『大義』になり得ると、首相サイドは考えているわけです」
有働キャスター
「となると、野党としては、賭けに出ることになりますね」
小栗解説委員
「まさにそのとおりで、ある野党の幹部は『あとは、泉代表の覚悟1つだ』と話していました」
有働キャスター
「今週、来週の動きに注目ですが、内閣不信任案に解散となればその先には、私たちが自分たちの代表を決める総選挙があります。本当に国民のほうを向いて各党が動いているのか、見極めていきましょう」
(6月14日放送『news zero』より)