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松野官房長官 午前会見(6月1日) 水際対策緩和など

2022年6月1日 13:11
松野官房長官 午前会見(6月1日) 水際対策緩和など

松野官房長官は1日午前の会見で、新型コロナウイルスの水際対策が1日から緩和されたことを受けて、「引き続き、段階的な緩和を進めていく考えだ」と述べました。

<会見トピック>
▽岸田首相アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)出席
▽水際対策緩和
▽マスク着用緩和
▽プライマリーバランス黒字化目標
▽土地規制法一部施行
▽西銘大臣ビジョン
▽かりゆし着用

会見の概要は以下の通りです。

(松野官房長官)
岸田総理大臣は、諸般の事情が許せば6月10日からシンガポールで開催されるシャングリラ・ダイアローグに出席する予定です。

岸田総理はこの機会に基調講演を行い、ウクライナを含む現下の国際情勢や厳しさを増す地域の安全保障環境に触れ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取り組みとわが国の外交安全保障政策についての考えを世界に発信する予定であります。

――新型コロナウイルス対策の水際措置について伺います。政府は、今日(6月1日)から新型コロナの水際対策を緩和し、入国者数の一日あたりの上限を1万人から2万人に引き上げました。10日からは、外国人観光客の受け入れも約2年ぶりに再開しますが、感染拡大のリスクも懸念されます。政府として、今後の水際対策や、感染対策にどのように取り組む方針か、お伺いいたします。

(松野官房長官)
今般、G7並みに円滑な入国を可能とするという方針のもと、流入リスクに応じた検疫態勢をとりながら、入国者総数を一日1万人から2万人目途に拡大しつつ、スムーズな入国を確保する措置を6月1日から実施しているところであります。

また観光庁による実証実験の結果を踏まえた外国人観光客の受け入れに関するガイドラインの策定を受けて6月10日から添乗員付きのパッケージツアーでの観光客受け入れを再開することとしたところであります。円安によるメリットを受けられるインバウンドの再開は、地域経済にとっても大きな意義があると考えています。

新型コロナ対応に当たっては、平時への移行期間として最大限の警戒感を維持しながら、徐々に社会経済活動を回復していく考えであり、水際対策についても、感染拡大の防止と社会経済活動のバランスをとりながら引き続き段階的な緩和を進めていく考えであります。

――外国人観光客の受け入れ再開を巡って、岸田総理大臣は今月7日に旅行会社向けのガイドラインを公表する考えを示しました。陽性者発生時の対応など現在の検討状況について伺います。

(松野官房長官)
昨日(5月31日)総理から発言された通り、外国人観光客受け入れ対応に関し観光庁が実施中の実証事業を踏まえたガイドラインを6月7日に公表することとしています。実証事業については、感染防止対策の順守方法や緊急時対応について検証を行うこととしています。

ご指摘の、陽性者発生時の対応の在り方についても実証事業の参加者1名が新型コロナウイルスに感染していることが確認された事例も含め、ガイドラインにどのように反映していくか引き続き検討しているところであり、例えば外国語対応可能な医療機関等に関する情報の事前把握、発生した場合の添乗員や旅行代理店等が取るべき初動等の事項について検討を進めているところであります。

――水際対策の今後の緩和の考え方についてお伺いします。総理も段階的に平時同様を目指すと発言されていて、今、長官からも段階的に緩和を今後も進めるというご紹介ありましたけれども、今後の緩和に向けて条件になるものは何でしょうか?

(松野官房長官)
今後の水際対策の在り方については、段階的に平時同様の受け入れを目指していくことになりますが、検疫態勢や防疫措置の実施状況等を勘案し国内外のニーズや新型コロナの内外の感染状況、主要国の水際対策の状況等を踏まえながら適切に判断をしていく考えであります。

――今後、緩和していく中で、また新たな変異株が海外で発生したり発見されたりした場合の対応というのはどのようにお考えでしょうか。

(松野官房長官)
新たにWHOで懸念される変異株として指定されるような変異株が発生する場合には、当然のことながらこれに機動的に対処していく考えであります。

――今回、1万から2万に入国者数の上限を引き上げましたが、入国者数の上限を設けているのはG7の中で日本だけです。上限設定の必要性と撤廃ではなく段階的な上限緩和を目指すのでしょうか? G7並みに円滑な入国との整合性についてどう考えているのか教えてください。

(松野官房長官)
今後の水際対策の見直しのタイミングについては現時点で申し上げる段階にはありません。

今後の水際対策の在り方は段階的に平時同様の受け入れを目指しつつ、先ほど申し上げた通り、検疫態勢や防疫措置の実施状況等を勘案して、国内外のニーズや新型コロナの内外の感染状況、主要国の水際対策の状況等を踏まえながら適切に判断をしていく考えであります。

――新型コロナ対策のマスク着用についてお願いいたします。大手電機メーカーの日立製作所は、グループ従業員向けに全面着用推奨から緩和した新たなマスク着用の基準をまとめました。熱中症リスクなどが高まる夏に向けて、日立のように多くの従業員を抱える企業や団体が新たな基準を設けたことについて、政府の受け止めと、他の企業や団体などでも広がることへの期待感などがあればお伺いいたします。

(松野官房長官)
マスクについては従来同様、基本的な感染防止対策として着用が重要であるということを前提にしつつ、先般、屋内屋外における取り扱いを改めてお示ししたところでございます。

こうした取り扱いについて大企業を含め、さまざまな場面で理解が進んでいくことは重要と考えています。ホームページやSNS、リーフレット等のさまざまな方法により周知を行い、引き続きしっかりと理解を得てまいりたいと考えております。

――プライマリーバランスについて伺います。昨日示された骨太2022の原案では、昨年の骨太には明記された2025年度黒字化という具体的な記述は盛り込まれませんでした。改めて政府のPB黒字化目標についての現段階での考え方をお願いします。

(松野官房長官)
骨太の方針については、昨日の経済財政諮問会議で原案をお示ししたところであります。原案においてはこれまでの財政健全化目標に取り組むとしており、財政健全化に取り組む姿勢に変更はありません。

なお、わが国が財政健全化目標として、2025年度のプライマリーバランス黒字化等を挙げていることは、これまで累次の決定等により明確であるので既定のこととして特に記載はしていませんが、プライマリーバランスの黒字化目標については本年1月の経済財政諮問会議において中長期試算を踏まえて検証が行われ、現時点で目標年度の変更が求められる状況にはないことが確認をされ引き続き内外の経済情勢等を常に注視しつつ状況に応じ必要な検証を行っていくこととした政府の方針に変わりはありません。

――土地規制法の一部施行について伺います。安全保障上重要な施設の周辺や国境離島の土地利用を規制する重要土地等調査規制法が本日、一部施行されました。内閣府の土地の利用状況を調査する組織が設置されましたが、政策統括官ポストを新設する狙いについて教えてください。また、日本周辺の安全保障環境が厳しさを増す中で、法施行の意義について政府の考えをお伺いします。

(松野官房長官)
安全保障の観点から、土地等の利用をどのように管理すべきか、という課題は国会や地方議会でも長年にわたって議論されてきたところであり昨年6月に成立した重要土地等調査法は、その課題の解決に資する意義深いものと認識をしています。

本日この法律のうち基本方針の作成や土地等利用状況審議会の設置等に関わる部分が施行されるとともに、本法の執行を担うため内閣府に重要土地担当の政策統括官が設置されました。

今後この部局において、本年9月に予定している法律の全面施行に向けて政令の制定や基本方針の作成などの準備を着実に進めていく考えであります。

――長官は本日、かりゆしを着用している。かりゆしを着用して会見を行った理由は

(松野官房長官)
政府としてクールビズを進めております。沖縄のかりゆしは服装の選択肢の一つであります。本日6月1日はかりゆしウエアの日とされていることから着用をしています。

――内閣府が昨日発表した強い沖縄経済について伺う。西銘大臣ビジョンと言う形で発表したが玉城知事が「県や市町村が政策実現のプレーヤーとして取り組んでいく中で、事前に県に対して必要な意見照会がなく少なからず唐突感を持っている」という趣旨のコメントを出している。沖縄の政策の話でなぜ県側と調整がなかったのか。意見照会が必要ないと考えた理由は。

(松野官房長官)
ご指摘の西銘大臣ビジョンは昨年12月の岸田総理の所信表明演説等を踏まえ、強い沖縄経済の実現に向けた取り組みの一環として、西銘大臣のもと内閣府沖縄担当において取りまとめたものであります。

本ビジョンは特に国として考える未来の沖縄経済が目指す姿や具体的戦略を重点4分野について取りまとめており今後国においては、県市町村、経済界等の協調した取り組みを支援するとともに、自らも具体的戦略等の実現に向けて取り組むこととしています。

有識者ヒアリングや一般の方からのアイデア募集、車座対話等地元のかたがたとの意見交換等も踏まえ、国としての考え方や取り組み方針等をまとめたものであり、事前の沖縄県との調整等は特に行っていないと聞いています。

――総理のシンガポール訪問について。シンガポール首相との会談など、他国首脳との会談の予定は。

(松野官房長官)
その詳細な日程は調整中と承知をしております。

――かりゆしの着心地は。

(松野官房長官)
いやもう涼しくて快適です。

以上