内密出産 岸田総理「現行制度下でも対応可能」
身元を明かさず匿名で出産する「内密出産」をめぐり、岸田総理大臣は国会で、熊本市の慈恵病院が実施したケースについて現行制度の下でも対応は可能との認識を示しました。
熊本市の慈恵病院は去年12月、10代の女性の「内密出産」を国内で初めて実施しました。
このことを国民民主党の伊藤副代表は、参議院予算委員会で取り上げ、病院が母親の名前を書かずに出生届を提出した場合、罪に問われる可能性について政府の見解をただしました。
国民民主党・伊藤孝恵副代表「すでに1例目が生まれてしまった内密出産というのを法的に安定させた上で、その後、法整備についても前向きにご検討いただきたいのですが いかがでしょうか」
岸田総理「この内密出産について厚生労働省法務局が示した取り扱いに基づき、熊本市慈恵病院が採用している方法については、現行制度下でも対応が可能であるということ」
岸田総理は、違法ではないとの見解を初めて示しました。
一方で、法整備については、「子供の出自を知る権利をどう考えるかや、未成年が内密出産を希望する場合の支援のあり方など、課題があり、慎重に議論を深める必要がある」と述べました。
また、古川法務大臣は、内密出産が実施された場合の戸籍の作成について「厚生労働省とも相談しながら、必要であればガイドラインができるよう、進めていきたい」と述べガイドラインを作成する考えを示しました。
予算委員会に参考人として出席した慈恵病院の蓮田病院長は、「ほっとしました。厚労省と法務省が努力をしてくれると期待しています」と述べました。