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「国会」異例の幕開け…“派閥”の動きは? 政治部官邸キャップに聞く

2024年1月26日 20:30
「国会」異例の幕開け…“派閥”の動きは? 政治部官邸キャップに聞く

第213通常国会が26日に召集されましたが、自民党ではゴタゴタが続いています。安倍派では幹部が緊急に集まりました。派閥の解散に向け、派閥の資金をどう処理するかが話し合われたということです。また茂木派では、小渕氏に続き、26日に青木氏も退会を表明しました。

■派閥の金をどう処理する? 安倍派幹部が緊急で集まる

藤井貴彦キャスター
「国会は異例の幕開けとなったようですが、自民党の派閥は混乱が続いているようです。ここからは政治部官邸キャップの平本さんに聞きます。今、気になる3つの派閥、安倍派、茂木派、麻生派の動きを聞きたいと思います。まずは安倍派です。茂木幹事長が幹部に対して、自ら政治責任をとるように求めたということですが、これに対して安倍派はどう対応するのでしょうか?」

平本典昭 政治部官邸キャップ
「26日に対応がでています。安倍派ですが幹部が緊急に集まりました。ある安倍派幹部は『派閥解散に向け、派閥の資金をどう処理するかを話し合うため』と説明していますが、ただ安倍派幹部に対しては党内から離党を含め、責任をとるべきとの声があがっているだけに対応を協議した可能性もあります」

藤井キャスター
「派閥の解散に向け、派閥の資金をどう処理するかというのは、安倍派の派閥の中にあったお金をどう分配するかということですか?」

平本キャップ
「そうですね。安倍派の中にはお金がありました。解散した場合にそのお金をどうするのか、例えば幹部に移していくのか、議員の数で割ってそのお金を処理していくのか、そうしたまず『お金をどうするか』『事務所をどうするか』、そうした事務手続きがありますので、そういったものを協議するというふうに幹部は説明しています」

■“小渕の乱” 茂木派源流となった父をもつ2人が退会

藤井キャスター
「わかりました。一方で25日、小渕選対委員長が退会を表明した茂木派の動きはどうでしょうか?」

平本キャップ
「こちらは一気に動き出しました。今一番の注目は茂木派です。会長の茂木幹事長、かなり悩ましい状況に追い込まれていると思います。25日、小渕氏退会表明に次いで、26日になって、青木一彦参院議員も退会を表明しました。茂木派の源流となる小渕派でトップだったのが、小渕優子氏の父、小渕恵三元首相で、その幹部だったのが青木氏の父、青木幹雄元官房長官です。それだけに2人の退会表明は、衝撃をもって受けとめられています。さらに、参議院の幹部3人が、26日に退会する意向を表明しました。あくまで幹部として今の派閥に批判があるので退会する、と言っているんですが、この退会の動きがさらに広がるのか注目されます。茂木派幹部の1人は『茂木さんは追い込まれている。小渕の乱だ』などと言っています」


藤井キャスター
「安倍派、茂木派と続いて、麻生派は存続する方針は変わらないのでしょうか?」

平本キャップ
「そうですね、変わらないようです。麻生派も26日に所属議員が集まりました。派閥は続けるべきとの意見がほとんどで、派閥は存続していくことになります。麻生派では岩屋元防衛相が退会する意向を26日に表明しましたが、ある麻生派幹部は『ほかに離脱する動きは広がらない』と話しています。麻生派は結束を保っている形です」

藤井キャスター
「岩屋元防衛相は退会する意向をなぜ表明したんですか?」

平本キャップ
「岩屋氏自身は派閥に対する見方が非常に厳しいので、そのトップの麻生氏は『派閥は残す』と言っていますが、政治不信を払拭するためには、派閥退会が必要という判断だったとみられます」

藤井キャスター
「国会も始まりますが、自民党内のゴタゴタは早い内にめどがたつことになるのか、これからも混乱が続きそうなのか、どうでしょうか?」

平本キャップ
「続きそうだと思います。茂木派は退会の動きもそうですが、安倍派幹部のけじめをどうつけるのかも簡単ではありません。26日に国会が始まりました。野党との対決に集中したいところですが、混乱がおさまる気配はありません」

■今国会の2つの注目ポイント

藤井キャスター
「続いて自民党が混乱しているなか始まった国会ですが、どのような点に注目すればよいのか、天野さんに伝えてもらいます」

天野裕貴 政治部野党担当キャップ
「はい、衆議院・本会議場からお伝えします。今国会の注目ポイントを2つ紹介したいと思います。1つ目は、来年度の予算案をめぐる審議です。審議にあたって、野党側は政治とカネの問題を厳しく追及する方針です。安倍派議員の証人喚問などを審議に応じる条件にする可能性もあると言えます。政府与党からすれば、能登半島地震の復興費用や賃上げをうながす政策など、すべての政策の裏付けになる予算案は予定通り年度内に成立させたいのが本音です。政治とカネの問題をめぐる野党の攻勢にどう向き合っていくのか、どう説明していくのか、ここは国会前半の注目ポイントといえます」

「2つ目のポイントは『政治改革が進むかどうか』です。今回、明らかになった政治とカネの問題では、政治資金収支報告書の不記載について罰則を強めるなど、政治資金規正法をどう改正するかが焦点です。予算の成立後はこの法改正の議論が本格化する見通しで、これが後半国会のポイントになるといえます。野党側も、ここはアピールのチャンスととらえています。企業・団体献金の廃止や、違法な会計処理があった場合に議員本人も責任を負う『連座制』の導入などの改革案を提案する方針です」

「野党側もただ追及、批判をするだけでなく、建設的な提案をできるのか。このことの成否は政権担当能力を示すことにもつながるといえます。野党にとっても重要な国会になるといえそうです」
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