“期限付きの所得税減税”検討を指示 岸田首相の狙いは?
臨時国会が20日に召集されました。岸田首相は早速、与党に対して期限付きの所得税減税を検討するよう指示を出しましたが、狙いはどこにあるのでしょうか。日本テレビ・政治部官邸キャップの平本さんの解説です。
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岸田首相は経済対策の目玉を模索してきました。その具体策として打ち出したのが、期限付きの所得税減税でした。このタイミングで打ち出した背景には、3つの要因があると思います。
■1つ目 政権の「増税イメージ」の払拭
「防衛増税」や「異次元の少子化対策の財源」など、政権が新たな負担を求める中、首相周辺は「間違ったイメージだが、『増税』というイメージを払拭するために『減税』の打ち出しが必要だった」と話しています。SNS上で岸田首相が“増税メガネ”と揶揄(やゆ)される中、支持率低迷の背景に「増税」イメージが影響しているのではと払拭したいようなんです。
■2つ目 岸田首相の「リーダーシップ」
実は今週17日に与党の経済対策がまとまったのですが、「所得税減税」の記載は見送られました。ある政府関係者は「臨時国会で首相が打ち出すために、目玉政策をとっておいた」と明かしています。最新の動きですが20日、早速、岸田首相は与党幹部に早急にとりまとめるように指示しています。
■3つ目 「解散」の大義の模索
複数の自民党幹部は、今の低い支持率や日程的にゆとりがないことを挙げて、「年内の解散は厳しい」と指摘しています。ただ、岸田首相自身は解散について「年内も含めて何も決めてない」と依然、話しているようで、一定数の自民党議員が「減税は解散への布石では」とみています。
――この所得減税の議論ふくめ、臨時国会の焦点はどこになりますか?
野党側は改造後初の国会ということで、新閣僚の資質を追及したり、いわゆる“統一教会”問題への対応などでも攻勢を強める考えですが、何といっても政権が急きょ打ち出した「所得税減税」を巡る攻防が激しくなりそうです。
所得税減税を巡っては、首相の側近議員からも「防衛増税という一方で、所得税は減税するというのは説明がつかない」との指摘。野党側も「政策の整合性」、さらに、物価高対策には「減税より給付のほうが効果的だ」などと主張し、論戦を挑むとみられます。
22日は衆参合わせて2つの補欠選挙の投開票もあり、選挙結果は政権運営に少なからず影響を与えるとみられています。
この国会は、序盤から緊迫した展開になることも予想されます。