松野長官“国債償還ルール見直し”「市場信認損ないかねない」
防衛費増額の財源確保をめぐり、近く自民党内で、国債の「60年償還ルール」の見直しの議論が始まることについて、松野官房長官は、「財政に対する市場の信認を損ねかねない」などと指摘しました。
岸田総理大臣が打ち出した「防衛費増額のための増税」をめぐって、自民党の特命委員会では、今月中旬から増税以外の財源の検討を開始します。
特命委員会のトップ、萩生田政調会長らは、国の借金である国債を一部借り換えながら返済する「60年償還ルール」の延長などを念頭に見直しの必要性に言及しています。
松野長官は、償還ルールの見直しについて、「償還年数を延ばした場合、毎年度の債務償還費が減少する分、 一般会計の赤字公債は減るが、 その分、特別会計で発行している借り換え債が増えることから、全体としての国債発行額としては、変わることがない」と指摘しました。
さらに、「60年償還ルールが市場の信認の基礎として定着している現状を踏まえれば、 財政に対する市場の信認を損ねかねないことなどの論点がある」と述べ、償還ルールの見直しについての複数の問題点を指摘しました。