現役世代への徹底投資…維新・ブロガー議員が語る“国民民主とどう違う”? 連立入りは“限りなくゼロ”
日本維新の会“ブロガー議員”音喜多駿・政調会長が、日本テレビのYouTube選挙特番「投票誰にする会議」に出演しました。 「現役世代への徹底投資」を公約の柱とする維新の会。年金や医療費負担の世代間格差はどう解消するのか。
AIエンジニア・安野貴博氏
「(Xに投稿された意見をAI分析で“見える化する”)ブロードリスニングを見ると、 “維新・国民民主への期待と不安” という部分があります。2つの党は現役世代重視の政策という点で似ている印象かなと思うし、“どう違うの?”という声もあります」
日本維新の会・音喜多駿政調会長
「大枠の方向は一緒ですが、政策面では結構違いがあると思っています。医療制度などの社会保障制度にタブーなく切り込んで、現役世代の手取りを増やし、負担を減らしていこうということは、一致しています。国民民主さんは、発信の仕方が非常に上手。玉木代表のキャラクターもあって、ネットの影響力も強いし、世論調査を見ても、維新と競っています」
「一方で、我々は政策面でより踏み込んでいることがあって、例えば医療改革。“タスクシフティング”という、医師が抱えている業務を看護師や薬剤師に権限を手放して、任せる案がある。医師の負担も減らすし、権限を分散させればコストも下げられるという試算もある」
「薬剤師さんに(薬を)処方する権利を渡すことは、医師がすごく嫌がっているので、基本的に自民党で絶対できない。我々は、そういう既得権と一切関係ない。国民民主よりも、僕らの方が踏み込んでいる面がいくつかあります」
日本テレビ・矢岡亮一郎解説委員
「視聴者から“社会保障改革を今掲げた理由を改めて聞きたい。特にツケを回さないってどういうこと”という質問も出ています」
音喜多議員
「国債が膨らんでいって、後で子供たちが借金を返す、というような議論は昔からありました。ただ、物事はもっと悪化していて、子供や孫たちを考える前に、今の世代が社会保険の負担が重すぎて、手取りが圧迫され、“自分たちがヤバい”となっている」
「今まだ余力があるうちに、医療や年金改革に手をつけないと、現役世代は苦しんで、子どももこれ以上生まれなくなる。日本は縮小するだけなので、今、現役世代に徹底的に投資をして元気にすることをしないといけません」
安野氏
「話を聞いていて、“どういう人は維新に投票して”と、国民民主との差別化がまだできていないところがあります」
音喜多議員
「決定的に違うのは、まずは労働市場の改革です。僕らは金銭解決ルールの導入も含めて、もっともっと流動化させる。“正社員はずっとクビにならずに、定年まで”みたいなものを、流動化させることに積極的です。向こうは労働組合、正社員の団体がついているので、それは極めて消極的で」
「あとはライドシェアとか。この規制緩和、僕らはしがらみがないので大賛成で、全面解禁を今すぐやろうと言いますが、やっぱり交通関係の労働組合さんはみんな反対しているので、国民民主さんはかなり慎重。医療政策とか現役世代徹底投資以外の経済政策とか、労働政策を見ると大きな違いがあると、僕は思いますね」
■足りない人に“リアルタイム給付” デジタル歳入給付庁とは?
日本テレビ・鈴江奈々アナウンサー
「維新の公約のなかでは、ベーシックインカムについても触れられていますね。最低ラインの所得・収入を保証するというイメージなんでしょうか」
音喜多議員
「年金制度を維持するのであれば、賦課方式よりも積立方式が良いと選択肢を示していますが、提案しているベーシックインカムが導入されれば、全部切り替わっていきます」
「前回の選挙で、例えば月7万円ぐらいの支給をやりますよとしました。今回は進化させて、“デジタル歳入給付庁”というものの法案を出しています。所得や資産をデジタルの力を使って、ほぼリアルタイムで把握できるような制度を作り、それで最低基準はどこかを決めて、足りない人にはほぼリアルタイムで給付を行います」
「足りている人から、当然所得税とか資産課税で取るということは、多分技術的にはできるはずなんです。そうすると、ベーシックインカムみたいに“事前に全部配れ”ではなくて、その分を払えばいいので、極めて合理的に恐らく財政運営することができる」
鈴江アナウンサー
「全国民に一律に払うものではなく、所得が少なくて困っている人に対して、デジタル上での情報を駆使して払っていくイメージですか?」
安野氏
「銀行口座も紐付けができるようになると、行政側から必要な人にプッシュでお金を送っていくことができるようになる。私も都知事選のマニフェストで、今までの“プル型の支援”じゃなくて、“プッシュ型の支援”が大事なんじゃないかという話をしていた。そこはすごく納得できる部分ですね」
安野氏
「ブロードリスニングを見ると、“連立政権の可能性と維新の役割”というようなことが多く語られている。自公過半数割れ、となったら、維新は与党、自民党に対してどう向き合うんですか」
音喜多議員
「結果を見なければ“絶対”はないですが、結論は是々非々だと思っている。まず連立に入るかどうかといったら、僕はゼロだと思います。限りなくゼロだと」
鈴江アナウンサー
「それは維新の中でそういう議論がされて、そういう温度感であるとかですか?」
音喜多議員
「結論ではないですが、やはり今の裏金問題に反省がない自民党と、政策がかなり不一致な政党の中に入って、“大臣のポスト1個くれる”と言って、連立与党になるということは、考えづらいと僕は思いますね」
「政策によって一致がするところがあれば賛成するし、反対もする。いろんな駆け引きが生まれて、いろんな交渉があるわけですよ。“この法案を通したいけど、維新以外は賛成する可能性がゼロだ、何とかしてくれ”と言われたとする。ウチも本音は反対でも、例えば“マイナポータルの義務化をのむんだな”とか、“ライドシェアの全面解禁をいつまでにやるんだな”とか、一個一個駆け引きをしていく。そういう形が想定されるんじゃないかと思います」
安野氏
「維新さんが与党になるというのは、もう連立ではなくて、単独過半数を取らないとならないと捉えていいですか?」
音喜多議員
「単独政権を目指しています。自民党が割れた時にくっつくとか、そういう話はもしかしたらあるかもしれないですけど、今の自民党、特にこの政治不信に陥って、腰が定まってない自民党とそのまま組むということは確実にあり得ないと思いますね」
鈴江アナウンサー
「逆に立憲民主党など、野党のメンバーの中で、さらに協力関係を強めていくということはどうなんでしょうか?」
音喜多議員
「これも政策次第。共産党は、根本が違っている部分が多いので難しいと思います。立憲民主党は時に組める面もあると思いますけれども、 憲法とか安全保障に関して距離があるので、その点から考えると野党側で連立する可能性は100%ないのかなと思います」
安野氏
「維新が単独与党になるっていう道はかなり険しいように見える。音喜多さんから見て、どういうロードマップで可能になっていくのでしょうか?」
音喜多議員
「僕個人からすると、やっぱり僕らのボリュームがもっと増えて、自公が過半数割れすると。そこでキャスティングボートを握れば、自民党の中が揺れ動いてくるので、そこで政界再編。一気に単独で300議席とかでなく、“維新と組んで自民を倒した方がいい”っていう人が集まって、改革勢力が生まれるみたいな道だと思っています」
「今回僕らは野党第一党になるつもりですが、結果はまだ分かりません。(政界再編は)20年後とかではなくて、5年10年で十分可能性があると思って、僕はいまやっています」