元自衛官の女性“性被害”訴え…「どんどん心と体が…」 防衛省が“調査”実施発表
元自衛官の22歳の女性が「複数の男性隊員から性被害を受けた」と訴えたことなどを受け、防衛省は「特別防衛監察」を行うと発表しました。女性は約2年間、陸上自衛隊に所属していましたが、日常的にセクハラ被害を受けたと訴えています。
zeroが話を聞いたのは、元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(22)。
セクハラ被害を訴える元陸上自衛官・五ノ井里奈さん
「ずっと耐えてきたんですけど、今までのセクハラで限界が来て退職しました」
2022年6月までおよそ2年間、陸上自衛隊に所属していましたが、在籍中、日常的にセクハラ被害を受けたと訴えています。
元陸上自衛官・五ノ井里奈さん
「急に抱きついてくるとか肩組むのは当たり前ですし、どんどん心と体が汚れていく」
我慢の限界を超えたのは、福島県内の部隊にいた2021年8月のことでした。
元陸上自衛官・五ノ井里奈さん
「男性隊員が私に首をキメて倒して、そのまま覆い被さって、腰を振るっていうことがありました」
この件では自衛隊も捜査を行い、22年1月、3人の男性隊員が「強制わいせつ罪」の疑いで福島地検に書類送検されましたが、5月に「不起訴処分」に。五ノ井さんは、8月31日、防衛省に対し、第三者機関による調査などを求める要望書を提出しました。
元陸上自衛官・五ノ井里奈さん
「何週間か前にはもう、再調査が行われているという連絡が入っていますし、一刻も早く厳正な処分と謝罪をしていただきたい」
要望書には、五ノ井さん側がほかの自衛官らに実施したアンケート結果も。146件の回答には…。
航空自衛官(女性・20代)の回答
「休憩中にふとももを触ってきた。気持ち悪かった」
陸上自衛官(女性・20代)の回答
「野球拳で(無理やり)服を脱がされ拒否すると平手で頬をたたかれた」
陸上自衛官(男性・20代)の回答
「飲み会で全裸で踊らされた」
こうした中、6日、防衛省に動きがありました。
浜田防衛相
「ハラスメントは基本的人権の侵害であり、また自衛隊の精強性を揺るがす、決してあってはならないことであります」
防衛省によると、防衛省・自衛隊内のハラスメントの相談件数は、2016年度は256件だったのに対し、2021年度は2311件にのぼるなど、増加の一途をたどっています。そこで、ハラスメントの実態調査のため、全自衛隊を対象とした「特別防衛監察」を行うことに。
「特別防衛監察」とは、防衛省で発覚した重大な不正行為と疑われる事案を、大臣直轄の組織で調査するもので、今回が6件目。ハラスメントをめぐり実施されるのは初めてです。防衛省はできるだけ速やかに監察を始めたいと説明しています。