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松野官房長官 午後会見(6月7日)出井氏死去に「デジタル関連政策に受け継がれている」

2022年6月7日 18:12
松野官房長官 午後会見(6月7日)出井氏死去に「デジタル関連政策に受け継がれている」

松野官房長官は7日午後の会見で、SONY元会長の出井伸之氏が死去したことを受けて、出井氏の考えは「現政権においても柱となっているデジタル関連政策にもしっかりと受け継がれている」と述べ、哀悼の意を示しました。

<会見トピックス>
▽SONY元会長 出井氏死去

▽骨太の方針

▽ウクライナ情勢

▽秋葉国家安保局長と中国・楊政治局員 電話会談

▽内閣不信任案

▽駐日韓国大使

会見の概要は以下の通りです。

――SONY元会長の出井さんが2日死去した。

政府のIT戦略会議の議長を務めるなど、国内のインターネット環境の発展に貢献されたが、政府の受け止めを。

○松野官房長官
SONYの出井伸之元会長兼CEOが今月2日に亡くなられたと報道で承知をしております。

出井氏は経営者としては、デジタルネットワーク事業を積極的に推進をされるとともに、グループの多様な事業のグローバル化を主導され、現在に繋がるSONYの発展に大きく寄与されました。

また執行と監督責任の分離や、委員会等設置会社への移行など、今では広く行われている経営体制の改革にもいち早く取り組まれました。

2000年に設立されたIT戦略会議の議長に就任され、我が国において世界最高水準のブロードバンドインターネット接続環境が整備される礎を築かれました。

そのお考えは、現政権においても柱となっているデジタル関連政策にもしっかりと受け継がれていると認識をしています。

出井氏のご逝去の報に接し、これまでの様々なご功績に敬意を表するとともに、心から哀悼の意を表したいと思います。

――骨太の方針について。

自民・公明両党に先ほど了承された政府案では、去年の骨太の方針に基づいて、経済財政改革を進めるとした表現は維持する一方「重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならない」という一文が追加された。

2025年度にプライマリーバランスを黒字化する目標を維持するのかどうかを含め、今回決定する骨太の方針に基づいて、どのような予算編成を進めていく方針なのか。

○松野官房長官
骨太の方針については、先週に、政府としての原案をお示ししたのち、与党でご審議をいただいていたところであり、本日、経済財政諮問会議において諮問・答申の上、閣議決定をしたいと考えています。

ご指摘のプライマリーバランスの黒字化目標については、本年1月の経済財政諮問会議において、中長期試算を踏まえて、検証が行われ、現時点で目標年度の変更が求められる状況にはないことが確認され、引き続き、内外の経済情勢等を常に注視しつつ、状況に応じ、必要な検証を行っていくこととした政府の方針に変わりはなく、今般の骨太の方針の案文においても、これまでの財政健全化目標に取り組むとしており、財政健全化に取り組む姿勢に変更はありません。

また、昨年の骨太の方針における、歳出の目安については2015年から一貫しておいてきた方針であり、歳出全体を対象としたものであります。

来年度予算についても、総理が昨年決定した3か年度の方針に基づき、経済財政一体改革を着実に推進すると、先日の経済諮問会議で発言された通り、目安を維持するものであります。

これまでも、目安があっても、機動的な財政運営、アベノミクスの推進、国土強靱化を進めてきました。

昨年10月の岸田政権発足以降も、79兆円の経済対策、過去最大の107.6兆円の令和4年度予算、13兆円の総合緊急対策と、切れ目なく対策を講じています。

骨太の方針2022や、新しい資本主義実行計画に盛り込んだ、重要な政策は当然のことながら、しっかり進めてまいります。

目安は維持しつつ、重要な政策の選択肢を狭めることがないよう、年末の予算編成等に対応してまいりたいと考えております。

――その重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならないというただし書きと、総理が表明された相当な防衛費の増額についての関係性についてだが、防衛費を増額していくことについて制約となるのか、ならないのか。

○松野官房長官
骨太の方針については本日、経済財政諮問会議において諮問、答申の上、閣議決定したいと考えていることは先ほど申し上げた通りであります。

ご指摘の令和5年度予算編成に向けた考え方については、総理が5月31日の経済財政諮問会議で述べた通り、骨太の方針2021で決定した歳出全体を対象とした目安を含む3か年度の方針は変わらず維持する方針であります。

その上で骨太の方針2022や、新しい資本主義実行計画を盛り込んだ重要な政策は、しっかりと進めていく考えであります。

目安は維持しつつ、重要な政策の選択肢を狭めることがないよう、年末の予算編成等に対応していく考えであります。

こうした考えのもと、政府としては、防衛分野について新たな国家安全保障戦略等の策定や、今後の予算編成過程において、抜本的な防衛力強化の内容、その防衛力強化の内容に相当する防衛費の規模、防衛費増の裏付けとなる財源のあり方を一体的に検討していく考えであります。

――ウクライナ情勢について。

ロシアによるウクライナ侵攻をめぐって開かれた国連安保理の会合で性的暴力が疑われる事案が124件に上っていることが明らかになった。

その受け止めとウクライナの女性や子供達を守るために日本政府としての取り組みについて。

○松野官房長官
日本時間6日深夜、国連安保理はウクライナにおける性暴力と人身取引等に関する公開会合を開催したと承知しています。

この会合でパッテン国連事務総長特別代表は国連人権高等弁務官事務所の人権監視ミッションから124の紛争に関する性的暴力の疑いについて報告を受け、これは氷山の一角にすぎない旨述べたと承知しております。

紛争下における性的暴力は、今日の国際社会の平和を脅かす重大な犯罪であります。

ウクライナにおいて報告された事例に関し、日本政府として極めて憂慮をしています。

日本政府が実施をしているウクライナ及び周辺国における2億ドルの緊急人道支援には、国連難民高等弁務官事務所や国際移住機関を通じた女性や子供が安全に身を寄せることができる一時避難施設の提供や性的及びジェンダーに基づく暴力の予防への取り組みも含まれています。

我が国としてはロシアに一刻も早く侵略をやめさせ、その上で対話への道筋を作るため、引き続き国際社会と結束をして強力な対露制裁措置を講じつつ、ロシアに侵略されているウクライナを支援をしていく考えであります。

――秋葉NSS局長と、中国の楊潔チ共産党政治局委員との電話会談について。

秋葉氏の就任後、日中の外交安全保障担当責任者の初めての会談。

会談の意義について伺う。

また今後、日中の首脳間の直接対話はどのような方針で進めるか。

○松野官房長官
本日、秋葉国家安全保障局長は楊潔チ中国共産党主任との間で電話会談を行いました。

日中関係について、秋葉局長から、昨年10月の日中首脳電話会談で一致した建設的かつ安定的な関係という共通認識を踏まえ、その構築を双方の努力で実現していく必要がある旨述べ、楊潔チ主任から同様の考えが示されました。

また、我が国の懸案事項や、双方が関心を有する事項について率直なやりとりを行いました。

その他ウクライナ情勢や北朝鮮情勢といった、双方が関心を有する地域国際情勢についても意見交換を行い、秋葉局長から中国が国際の平和と安全の維持に責任ある役割を果たすことが重要であるなど、我が国の考え方を伝えたところであります。

岸田総理と習主席の会談について、現時点で決まっていることはありませんが、普遍的価値を共有する国々としっかり連携をしながら、中国に対して主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求め、共通の課題については協力をするという、建設的かつ安定的な関係を、双方の努力で構築していくことが重要と考えております。

――内閣不信任決議案について。

立憲民主党が内閣不信任決議案提出に向けた動き。

理由として政府の物価高対策が不十分であることなどを挙げているが、政府としてこうした動きをどう見ているか伺う。

また実際に提出された場合、総理の衆院解散の選択肢もあるが、提出された場合の政府の対応について。

○松野官房長官
内閣不信任案が提出されたとは承知をしておらず、仮定のご質問へのお答えは差し控えたいと思います。

いずれにせよ政府としては、午前中も申し上げた通り、原油価格や食料品価格の高騰による影響に、緊急かつ機動的に対応するため、ガソリン価格や小麦価格等の国内価格の上昇を抑制するとともに、生活困窮者や低所得者支援を後押しするなど、真に困窮されている方々にきめ細かく支援を行うなど、総合緊急対策に盛り込まれた各政策を国民の皆様に迅速にお届けをしてまいりたいと考えております。

衆議院の解散については、解散は総理の専権事項であり、私の立場からは差し控えたいと思います。

――韓国は本日、駐日大使に尹徳敏氏を充てる人事を発表。

尹氏は日本で博士号を取得した知日派で日本語も堪能。

この人事に関する政府の受け止めと今後の日韓関係への期待について。

○松野官房長官
ご指摘の韓国側の発表については承知をしていますが、外国政府内の人事について政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。

その上で申し上げれば、北朝鮮への対応をはじめ、地域の安定にとって日韓、日米韓の連携は不可欠であります。

日韓関係は旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などにより非常に厳しい状況にありますが、このまま放置することはできません。

国と国との約束を守ることは、国家間の関係の基本であります。

日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、韓国新政権と緊密に意思疎通をしていく考えです。

――ゼレンスキー大統領が歴史的に価値の高い修道院をロシア軍が破壊したことを受けて、ロシアのユネスコからの除名を呼びかけている。

今日の自民党会議でもロシアのユネスコでの役職停止を求める意見が上がったが、政府の対応は。

○松野官房長官
ウクライナにおける人道状況の悪化や、子女の教育への影響、文化財の破壊の継続を深刻に懸念しています。

民間人や民生施設への攻撃は国際法に違反し、断じて正当化できるものではありません。

ユネスコにおける対応について現時点で予断をもって述べることは差し控えますが、我が国は現在、ユネスコにおいて執行委員国及び世界遺産委員国を務めており、ユネスコにおけるロシアをめぐる議論に国際社会と緊密に連携しつつ、引き続きしかるべく参画していく考えであります。

――韓国の新大使の発表だが、以前、アメリカのエマニュエル大使が議会承認を受けた際には、「大統領の信認のあつい、エマニュエル氏が承認されたことを歓迎する」というような所感を説明されたが、今回の韓国との違いはどういうところにあるのか。

○松野官房長官
外交上、詳細に関しましては、外務省にお問い合わせをいただきたいと思います。