衆院補選 “一騎打ち”与野党幹部ら島根入り “逆風”あせる自民 政権への影響は?【バンキシャ!】
衆議院・島根1区の補欠選挙が16日に告示され、与野党幹部が候補者の応援のために続々と現地入りしています。自民党が圧倒的な強さを見せてきた“保守王国”の選挙区ですが、裏金事件による逆風で党内に危機感が高まっています。注目の補選の行方は…?【バンキシャ!】
***
20日、島根県の松江駅前には…
バンキシャ
「すごい人が集まっています。駅前には人だかりができていますね」
そこに現れたのは、小泉進次郎衆議院議員だ。自民党候補の応援に駆けつけた。
バンキシャ
「みなさん、進次郎氏にくぎづけですね」
応援演説に立つと、ある言葉を繰り返した。
自民党・小泉進次郎衆院議員
「この選挙、私たちは負けてるんです。私たちは負けてるんです!」
“裏金事件”で逆風が吹く自民党。今回の衆議院“トリプル補選”では、すでに2つの不戦敗が確定している(東京15区・長崎3区には自民候補者の擁立なし)。
全敗阻止へ―。与野党一騎打ちの島根1区は、負けられない戦い。自民党から立候補しているのは、元財務官僚の新人・錦織功政氏だ。
バンキシャ
「逆風は、やりづらさがありますか?」
自民党・錦織功政候補(55)
「いえ!もうここまでくれば国会や自民党内でも政治改革の動きはすでに始まっています。私はこの勢いに乗って、選挙戦を戦い抜いていきたいと思っています」
しかし選挙運動を手伝う自民党陣営のスタッフからは、こんな本音が…
自民党陣営のスタッフ
「パンフレットを受け取っていただけないとか多々ありましたし、門前払いされるというか…厳しいです」
また、この翌日、21日には岸田総理大臣が選挙応援に入ることになっていたが…
自民党陣営のスタッフ
「もし来ていただいて(裏金事件について)何かしゃべっていただくことができれば、いいこと…。これで何も語らなければ、逆に言うとマイナス」
“逆効果”となることを心配していた。
そして、21日。島根・奥出雲町でマイクを握った岸田総理は。
岸田首相
「政治資金の問題をめぐって、国民のみなさんに政治不信を巻き起こしてしまっている。心からおわびを申し上げる次第であります」
さらに、岸田首相は政治資金規正法の改正を目指す考えを重ねて示した。
対する立憲民主党。21日、泉代表が島根入りした。
立憲民主党・泉健太代表
「岸田総理がやってくるっていうじゃないですか、各地回ってるっていうじゃないですか。ただ自民党からもそれはマイナスになるかもしれないと言われているんですよ、みなさん」
自民党の“裏金事件”を追い風に…。さらに20日、島根・松江市にて応援合戦に加わったのは…
バンキシャ
「蓮舫議員がいらっしゃいました。拍手がおきています」
トレードマークの白いスーツ姿の蓮舫参議院議員だ。
バンキシャ
「意気込みというか(選挙を)どう見ている?」
立憲民主党・蓮舫参院議員
「むしろ島根県民の方が迷惑だと思いますよ。自民党王国と言われることが」
その立憲民主党から立候補したのは、亀井亜紀子氏だ。
立憲民主党・亀井亜紀子候補
「みなさんの反応はすごくいいと思います。ただあまりそれに流れされずに、やはり自民王国で、自民党は組織固めてじわっと見えない選挙をするので、油断せずに全力で攻めていきたい」
小選挙区制の導入以降、衆議院の選挙区では自民党が議席を独占し続けている島根県。“保守王国”での勝利へと、選挙区内を広く回る。住民を見つけると…
バンキシャ
「亀井候補が坂道を走って有権者の元へ…」
直接、支持を訴えた。現時点での手応えを選挙スタッフに聞くと…
立憲民主党陣営の選挙スタッフ
「東京に比べるとこちらの風弱いと思う。保守王国っていうのがあって、昔のすごく良かった時代の自民党の記憶が、まだ有権者のみなさまの頭の片隅に残っているのではないかなと…。我々としてはこれを食い止めたいという思いが強いですね」
政治部 自民党担当キャップ・前野全範記者
「もし敗れれば、自民党内からは岸田総理のままでは選挙は戦えなくなるとして、岸田降ろしやポスト岸田に向けた動きが始まるとの声が出ています。一方で、総理の側近議員は、負けても総理1人ではなく自民党全体の責任だと強調し、政権幹部の1人も、とてもじゃないが党内でガタガタしている余裕はないと指摘しています」
5月以降は、外交日程が続くこともあり、すぐには政権運営の大きな影響はでないとの見方も根強くあります。いずれにもしても島根一区で敗れれば、今の国会中での解散総選挙のハードルは上がることになります。
*4月21日放送『真相報道バンキシャ!』より