「“与党にお灸をすえよう”のような空気がある」 公明党広報局長・平木議員に聞く総選挙
“自公過半数割れ”の可能性 吹き荒れる“逆風”の実感
「X(旧Twitter)に投稿された意見をAI分析で“見える化する”ブロードリスニングで公明党への声をみると、“自公過半数割れ”という文脈での言及が多く、全体の実に約20%あります」
公明党広報局長・平木大作参院議員:
「街頭に立ちながらすごく“逆風”だと感じること多いです。なんとなく今回は『与党にお灸をすえよう』のような、そういう空気があるというのは感じながら戦っています」
自民“非公認”を公明が“推薦” なぜ?
日本テレビ・矢岡亮一郎解説委員:
「やはり、我々が気になるのは、自民党で非公認になった候補に、公明党が推薦を出したということです」
AIエンジニア・安野氏:
「クリーンな政治をマニフェストに掲げつつ、ある種ダブルスタンダードに感じてしまう」
公明党・平木議員:
「『自民党が非公認だった者はもう推薦出しません』というのが分かりやすいですよね」
「ただ一方で、まさに政権がもう動いてしまうかもしれない。与党としてどう議席を最大化するかという中で」
「“どう使ったのか”ということ、そこについて本人が“どう反省しているのか”、“今後についてどう考えているのか”について説明を受けて、少なくとも地元から『納得した』という声をいただいた方に、党本部に推薦の指示を出したということです」
低所得者世帯への給付金支給「必要ない人たちにも入るのではないか」
AIエンジニア・安野氏:
「Xでの投稿を見ると、『低所得者世帯への給付金は、特に、高齢の資産があるけれど所得は低い、“本当はあまり必要ない人たち”にも入ってしまうのではないか』という意見があります」
公明党・平木議員:
「所得も資産もしっかり把握する仕組みがないと、そもそも線引きをうまくはできないわけです。今、求められているのは、まさにこの冬をどう越すのかという話なので、ある程度目をつぶってでも、しっかりやるべきだという判断」
AIエンジニア・安野氏:
「1回冬を越したとしても、その後も厳しい状況が続くかもしれないので、2の矢、3の矢と、後に続くものがないと、一時しのぎだけで終わってしまうのではないか」
公明党・平木議員:
「そうですね。ひとつは賃金の部分をまっとうに上げていくことです」
「柱に、最低賃金を5年以内に1,500円に上げるということを掲げました。パートとかアルバイトで働いている方だけではなく、中間層に対する押し上げの効果もあるので、ここでしっかり上げていく」
“最低賃金5年以内に1500円” 実現は可能?
日本テレビ・矢岡解説委員:
「最低賃金、5年以内1,500円ということですが、経団連の十倉会長は『到底、達成不可能な目標は混乱を招くだけ』と言っています」
公明党・平木議員:
「これまで中小企業の賃金が上がってこなかった背景には、圧倒的に大企業との“力の差”があったわけです」
「いくら値引きするみたいな提言を、中小企業に押し付けてきた形があるわけです」
「だから、できれば経団連には『一緒になって環境を作りたい』と発信をして欲しい。正直、残念に思います」
日本テレビ・矢岡解説委員:
「ある試算だと、毎年7.3%は上げていかないと、5年で(1500円を)達成できないと」
公明党・平木議員:
「韓国では一気に引き上げ過ぎて失敗した事例もあるので、まさに、無理やり数字だけ上げて、『これについてこい』というやり方はできません。ただ、(年の最低賃金上昇が)50円ぐらいだったものを90円にというのは、十分できるのではないかと思っています」
“日々が苦しい現役世代” どう支える?
日本テレビ・森圭介アナウンサー:
「(生配信中、視聴者から)コメントがきています。『低所得者を対象にするせいで、資産がなくて働かざるを得ない高齢者や、日々の生活が苦しい現役世代に支援が届いていないことはどう思うか』と」
公明党・平木議員:
「現役世代の手取りを増やしていくことについては、(他党が掲げる)『保険料を安くする』とか、『消費税をどうする』というのは、策としてはいただけない」
「長い目で見たら賃金を上げることをやらなかったら、物価高自体は克服できませんし、何よりも、もともと低所得で困っている人のところから『引かれる分をどうする』ということをやっても、やはり低所得のままです」
「所得自体を底上げするという政策をやらない限り、構造自体が変わらないと思います」
日本テレビ・森アナウンサー:
「現役世代の負担になっている社会保障費の削減については」
公明党・平木議員:
「単純に(社会保障費)削減をゴールにすることは、目標として違うんじゃないかと。負担が重いというのはその通りと思いますから、そこについてはしっかり取り組む」
「例えば、後期高齢者の医療費をどうするか」
「今まではとにかく年齢で全部やっていたわけですけれど、応能負担に変えていくみたいなことも含めて、政府としてもやっているところです」
続く自然災害 復旧・復興はどう進める?
日本テレビ・森アナウンサー:
「国の防災に関して言えば、公明党のスタンス、あるいは公約は」
公明党・平木議員:
「防災は、一番、政党の実力が出るところだと思います。政治家としてできることは、単純に予算を付けるとか、法律を作るかだけではない」
「いざという時に最前線に立つのは基礎自治体」
「市議会議員とか町議会議員など、現場で一番、地域のことがよく分かっている人と連携が上手くできると、ひとつひとつの政策ができる。そういう感覚を持っているので、『避難所の環境の改善』を(公約に)書かせていただいています」
日本テレビ・矢岡解説委員:
「防災庁の設置についても訴えていますね」
公明党・平木議員:
「災害が起きた時に正面に立つのは基礎自治体だと申し上げましたけれど、広域で運用するという視点がないと、うまくいきません。どこに在庫があるのか、どこから避難所に出すのかのような仕組みを作っていかなければいけない。今の内閣府防災はそこまでできていないので、防災“省”なり“庁”は、とても必要だと思っています」
核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加 食い違う自民党と公明党
日本テレビ・矢岡解説委員:
「自民党は『核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加が、なかなか難しい』と言っている中で、公明党は『参加すべき。議論を進めるべき』としていますが、この違いは」
公明党・平木議員:
「我が党は結党の時から核兵器のない世界を目指しています」
「今、核が実際に使われるかどうかという瀬戸際にある中で、核抑止に頼りたいという気持ちは分かります。日本も実際にアメリカの核の傘の中で安全が守られている面が間違いなくあります。しかし、核の近代化が進んでしまうと、次は“使いやすい核兵器”に向かってしまう。その前にしっかりとブレーキを踏む必要があるというのが公明党の考え方です」
「(日本は)『核兵器国と非核兵器国との橋渡し役をする』と言うんですけど、『どう橋を渡していくのか』ということについて発信がないので、オブザーバーとしてしっかり参加すべきだと」
公約の“女性活躍”、“若者活躍” どう進める?
日本テレビ・森アナウンサー
「“女性活躍”、“若者活躍”を公約に挙げられています」
公明党・平木議員:
「女性活躍に関して言うと、一番の鍵はやはり男性。日本において、“男性が家事・育児をしない”というとことが圧倒的に大きいので」
「ダイレクトにはまさに育児休暇に対する給付制度ですし、それ以外にも変えなきゃいけないルールが多いので、そこをしっかりやっていきたいと思っています」
「若者参画に関して言うと、“若者議会”を提案しています。やはり若い人の声をちゃんと反映する場が無い。 “どうやって我々が若い人たちの声を吸収できるか”がポイントだと思うので、そういう場を設け、声を集約して、首長に決断してもらうとか、議会の中で議論をするとか、そういう仕組み作りができたらと思っています」
日本テレビ・森アナウンサー
「学生さん(のコメント)なのか、『奨学金を返している方のサポートが欲しい。返済大変』という声がありました」
公明党・平木議員:
「本当におっしゃる通りです」
「奨学金という名のローンなので、ほとんど部分が。給付型奨学金と授業料の減免との2本柱で、いわゆる所得の低い方については(教育負担を)だいぶ抑えることができたんですけれど、やはり中間所得層についてはまだまだ手つかずです。ここは頑張りたいと思っています」