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【全編】拉致被害者・曽我ひとみさんが岸田首相と面会し要望書提出 早期の日朝首脳会談の実現と拉致被害者の帰国を要求

2023年7月5日 15:58
【全編】拉致被害者・曽我ひとみさんが岸田首相と面会し要望書提出 早期の日朝首脳会談の実現と拉致被害者の帰国を要求

北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんが、総理官邸を訪れ、岸田総理大臣と面会し、早期の日朝首脳会談の実現と拉致被害者の帰国を求めました。曽我さんが岸田首相と面会した際のやりとりの全編は以下の通りです。

■曽我ひとみさん

私と母が拉致をされまして、45年になります。まだ母の安否というものが、何も分からない状態です。母は今年91歳になります。91歳といえば、本当に自分のことができなくなり、本当に1日1日、一時間一時間をただ生きているのが精一杯な年齢だと思います。母はとても元気が自慢だったのですが、毎日毎日心配でなりません。

普段、何もない生活のなかで、こうした拉致が起こり、45年も会うことができないということは、心が痛みます。

先日ですがテレビの報道で(横田)早紀江さんが入院されたというお話もありました。そして有本さんは車いすで出席となったお姿も拝見しました。本当に「ああこれが現実なんだ」ってつくづく思いまして、本当に心が痛みました。母は今どうしているんだろうと思えば思うほど、本当に胸がいっぱいになります。

もう、ご家族のみなさんは、会える気力もなくなるくらいに、本当にお疲れになっていると思います。それを必ず会えると思いながら毎日毎日頑張って生活されていると思います。

総理におかれましては、拉致問題を1日も早く解決していただくため、日朝のトップ会談を1日も早く実現させて、向こうで家族に会いたがっているみなさんを全員取り戻して、ご家族のもとで楽しい生活をできるようにしていただきたいと、心から願っております。それができるのは岸田総理です。

本当にみなさん、もう時間がありません。いつもいつも同じことを言っておりますが、北で日本への帰国を待っている被害者の方、そして日本で待っているご家族の方、本当に苦しい思いで待っていると思います。一日も早い解決のために全力で問題の解決をしていただきたいと、心から願っております。どうかよろしくお願いいたします。


■岸田総理
まず曽我ひとみさんにおかれましては、大変遠いところ、こうして、官邸までお越しいただきましたこと、感謝を申し上げます。そして渡辺市長をはじめ、佐渡市の皆様方には、曽我ひとみさんとそのご家族が、ご帰国されてから今日まで、大変きめ細やかにご支援をいただいている、おりますこと、心から御礼申し上げたいと思います。まず先ほどいただきました要望書につきましては、これしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。

曽我ミヨシさんをはじめ、今なお多くの方々が、方々のご帰国が実現していないということ、これは痛恨の極みであり、政府として、これは重く受け止めているところであります。被害者の方、そして被害者の家族の方が、ご高齢になる中にあって、時間的制約があるこの拉致問題は、ひとときも忽せにすることができない人権問題であると認識をしています。

本年、5月に国民大集会が開かれました際に、あらゆる障害を乗り越えて自ら決断をしなければならない。そういった私自身の決意から、日朝首脳会談を早急に開催するべく、私直轄のハイレベルでの協議行っていきたいということを申し上げてきました。また、ご要望書の中にありますように拉致問題、これを風化させてはならないということ。これも極めて重要な問題であると考えています。曽我さんは、小学校中学校の生徒さんへの出前授業にも積極的に取り組みがおられると承知しておりますし、また初等中等教育に関わる教員等に対して、研修の講師として、ご協力をいただいているということでもあり、こうしたご努力に心から感謝申し上げたいと思います。

政府としては、拉致問題に触れる機会の少なかった若い世代へのケアをする、これが重要であると認識をしており、引き続き様々な啓発、広報活動に努めていかなきゃならないと考えています。

いずれにしましても拉致問題は岸田政権にとりまして最重要課題であると申し上げてきております。拉致問題解決に向けて、私自身が先頭に立って、そして政府を挙げて取り組んでいかなければならないと強く思ってございます。ぜひこうした政府に対しましても、引き続き、様々なご指摘、ご意見を聞かしていただければと思っております。

改めて今日お越しいただきましたことにお礼を申し上げます。ありがとうございます。

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