「死刑のハンコを押した時だけニュースになる地味な役職」などと発言した葉梨法相が10日、発言を撤回し謝罪しました。野党だけでなく、自民党内からも批判の声が上がっています。

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10日午前8時半、葉梨法相が官邸に現れました。ある発言をめぐり、松野官房長官に呼び出されたのです。

葉梨法相は9日夜、同じ派閥の議員のパーティーで、“法務大臣は死刑のハンコを押したときだけニュースになる地味な役職”だと発言していました。

葉梨康弘法相
「法務大臣になりまして3か月になるんですけれども、大体、法務大臣というのは、朝、死刑のハンコを押しまして、それで昼のニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職なんですが」

さらに、「今回はなぜか旧統一教会の問題に抱きつかれてしまいました。法務大臣になってもお金は集まらない、なかなか票も入らない」とも発言。松野長官から厳しく注意され、今後の言動は慎重に注意すると謝罪しましたが…

葉梨康弘法相
「どういう発言の内容だというのを、全体を見てらっしゃる方、あまり多くはないだろうと思いますので、発言した内容、これかちょっと読み上げさせていただきます。『法務大臣を務めている葉梨康弘です』」

9日夜の発言全体を4分以上かけて読み上げ、発言の一部が切り取られたと釈明しました。

葉梨康弘法相
「地味に見られるかもわからないけれども、極めて大切な行政であるということを全体としては申し上げた」

発言を撤回するのか聞かれると、撤回しないとしました。

葉梨康弘法相
「今のところそういう考えはありません」

しかし、その2時間後には死刑に関する発言を撤回しました。

葉梨康弘法相
「撤回をさせていただきます」

就任して3か月の葉梨法相。

立憲民主党　石川大我議員
「こうした軽い発言がある中で今後、死刑の執行、大臣のもとで行えるんでしょうか」

葉梨康弘法相
「慎重に慎重を期しながら法の執行をしていく、そういう立場にあると思います」

松野官房長官は会見で、岸田首相が葉梨法相を続投させる意向であると明らかにしています。

野党からは…

共産党　小池晃書記局長
「ああいう場で死刑という事を示して、それを発言するのは人間として許し難い事だと」

立憲民主党　泉健太代表
「あのような法務大臣のもとで死刑の判断を今後していくんでしょうか、それはできるんでしょうか、許されることなんでしょうか」

自民党幹部からも…

自民党　遠藤利明総務会長
「苦言を呈したいのは、閣僚のみなさんの不用意な発言が政局に大変混乱を与える。何をやってんだと」

いわゆる“統一教会”、政治と金の問題と閣僚の資質が問われ続けている岸田内閣。負の連鎖を断ち切ることができるのでしょうか。