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【解説】安倍元首相に「頼みを聞いてもらえる」のでは・・・前参院議長が証言 “統一教会”からの組織票は?

2022年8月1日 19:21
【解説】安倍元首相に「頼みを聞いてもらえる」のでは・・・前参院議長が証言 “統一教会”からの組織票は?

安倍元首相の銃撃事件をきっかけに、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”と政治との関係が次々と明らかになっています。お金、選挙への支援はあったのでしょうか。

「日本維新の会13人は?」、「前参議院議長も出席」、「教団の票を“依頼”」、以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■日本維新の会13人に“統一教会”と接点

日本維新の会は、党に所属する国会議員62人を対象に”統一教会”との関わりについての調査を自己申告で行いました。これまでの中間報告で、馬場共同代表・藤田幹事長・音喜多政調会長・足立衆院議員・高木参院議員など13人が、関連団体のパーティーやイベントに出席するなどしていたことが明らかになりました。

寄付や選挙での組織的な支援については、13人全員が受けていなかったということです。日本維新の会は今週中に13人の詳細について公表するとしているため、調査結果が待たれます。

■教団と選挙の関わりは? 安倍元首相に影響力か

教団と選挙の関わりについて、自民党で安倍元首相と同じ派閥に所属していた元議員が証言しました。「三権の長」でもある参議院議長も務めた伊達忠一前参院議長が、教団の友好団体が開いたというイベントに出席していました。日本テレビの取材に対し、伊達氏は「選挙のお礼に出席した」と説明しました。

2020年2月、韓国で行われたとされる教団の友好団体の総会で、赤いカーペットの上を歩くのは韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁です。

この総会のステージで、伊達氏は次のようにスピーチしました。

前参議院議長 伊達忠一氏(2020年2月)
「まさに世界に平和を創出する真の母、平和の母と称賛される」

2019年まで参議院議長を務めた人物が、韓鶴子総裁をたたえていたのです。

伊達氏は日本テレビの電話取材に対し、次のように述べました。 

――参加されたのは、選挙のお礼も兼ねてというのがあったのですか?

前参議院議長 伊達忠一氏
「そうそうそうそう」

過去には、教団の票を巡り、ある人物にお願いをしたということです。それが、当時、安倍元首相と同じ派閥でトップだった細田博之氏です。

伊達氏は「安倍元首相とは教団の票についての話をしたことはないが、細田さんとはある」と述べました。2016年の参議院選挙に出馬した自民党の宮島喜文氏を当選させるためだったということです。また、伊達氏は「宮島氏は安倍さんに2回か3回直接会って、話をしているはずだ」と述べました。

安倍元首相については「うわさでは『安倍さんとかが、力があるんじゃないか』と聞いたことがあり、頼みを聞いてもらえるという話を聞いていた」と述べ、安倍元首相が教団からの票の獲得に影響力があることを示唆しました。

■教団からの組織票はあった?

実際に教団からの組織票はあったのでしょうか。2016年の参議院選挙で、結果的には宮島氏は比例代表で初当選しました。当選した翌年の2017年、教団のイベントで、宮島氏は次のようにあいさつしていました。

前参議院議員 宮島喜文氏(2017年)
「参議院選挙で、皆様の応援で当選させていただきました。厚く御礼申し上げます。ありがとうございました」

宮島氏は教団にお礼を述べていましたが、組織票は実際にあったのでしょうか。取材に対し、宮島氏側は「教団の友好団体から選挙への票の支援はあったが、それが旧統一教会関連の団体との認識はなかった」と説明しました。一方、細田氏からは、8月1日時点では回答を得られていません。

■“教団と政治家の関係”首相が初言及

一方、教団と自民党所属議員との関係が取りざたされていることについて、自民党の福田総務会長は7月29日、「なんでこんなに騒いでいるのか、正直分からない。何が問題なのか、分からない」と発言しました。

その後、この発言について、福田氏は「被害者を生み出すような社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であることは、言うまでもない」との釈明のコメントを出しました。

一方、共産党の志位委員長は8月1日、この福田氏の発言について「言語道断だ」と批判しました。

共産党 志位委員長
「旧統一教会と自民党などとの癒着の何が問題なのか。反社会的なカルト集団と自民党が癒着する、どういう意味をもつのか。意味は明朗でありまして、広告塔になるってこと」

自民党が教団の広告塔になっていたのではないかとして、志位委員長は国会で追及していく考えを示しました。

教団と政治家の関わりについて批判も上がる中、今後どうなるのでしょうか。岸田首相は7月31日、教団と政治家の関係について初めて言及しました。この問題は国民の関心も高いとして、「団体との関係については、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明をしていくことは大事だと思っています」と述べました。

     ◇


この問題は、たとえ個別の議員と団体側の関係だとしても、少しその数が多いのは否めません。各党は、それぞれ丁寧に説明することが求められます。

“統一教会“に関する情報をお寄せください。頂いた情報をもとに、日本テレビ調査報道プロジェクトで取材を進めていきます。

https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html 

(2022年8月1日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)