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富山県知事選挙 候補2人の第一声を「テキストマイニング」で分析

2024年10月10日 20:51
富山県知事選挙 候補2人の第一声を「テキストマイニング」で分析
上野キャスター)今回の知事選の争点は何になるのか、担当の助田記者に聞きます。

助田記者)1期4年間の新田県政への評価が最大の争点です。また、能登半島地震からの復興、人口減少対策や子育て支援、経済対策など重要課題にどう取り組むのかも争点となっています。

上野)立候補した2人はそれぞれ、どんな主張をしているのでしょうか。

助田)2人のきょうの出陣式での第一声を「テキストマイニング」という手法で分析しました。繰り返して用いた頻度の高い言葉を抽出し、人工知能=AIが分析した特徴的な単語が大きく表示されます。

上野)まずは、百塚候補の第一声です。「失われた30年」や「福祉」「中小企業」といった言葉が大きくなっています。

助田)バブル崩壊から続く不景気の状態の「失われた30年」を取り戻し、富山を支える「中小企業」への支援や「福祉」の底上げを目指すと主張しています。

百塚さんは医療・福祉や教育の充実を訴え、県民に寄り添った県政を目指すとしています。震災からの復興関連では被災者支援のワンストップ相談窓口の整備などを訴えています。

公約には、18歳までの医療費や学校給食の無償化、賃金引き上げや男女の賃金格差解消などを盛り込んでいます。

上野)続いては新田候補の第一声です。「富山県」や「ウェルビーイング」、「2期目」といった言葉が大きくなっています。

助田)「ウェルビーイング」、幸福度の高い「富山県」にしていくと述べ、「2期目」に向けては能登半島地震からの復旧復興を最優先課題としています。

新田さんは1期目の実績を強調し、2期目を目指しています。「こどもまんなか社会」の実現に向けて、2歳までの第2子の保育料の無償化を目指すほか、高校の授業料や入学料を段階的に実質無償化することなどを公約に盛り込んでいます。

また、新しい産業を創出するためのスタートアップ支援や、データサイエンス分野の支援も強調しています。

上野)今回の知事選は、現職に新人が挑む一騎打ちの構図ですが、政党の支援状況はどうなっているのでしょうか。

助田)百塚さんは、共産の推薦を受け、社民が支持しています。

上市町に住む34歳の看護師で、2021年から上市町議会議員を務め、去年の県議会議員選挙では中新川郡選挙区に出馬し落選しました。

自民党派閥のいわゆる「裏金議員」を擁護したり、旧統一教会の応援を受けたりした人物に県政は任せられないとして立候補しました。

一方、新田さんは前回2020年の知事選で保守分裂選挙を制して初当選しました。

前回は自民党からの推薦を受けることができず、一部の自民党議員や維新の支援にとどまっていました。

今回は一転して、自民のほか立憲、公明、国民民主の推薦をうけたほか、各種団体からも推薦を取り付けています。

上野)そして、投票率の見通しはどうでしょうか。

助田)前回4年前の知事選は、保守が分裂し三つ巴の激しい選挙だったこともあり、投票率は60パーセントを超えました。

ただ、その前を見てみると軒並み低い投票率となっています。 自民党が推す現職と共産党が推す新人との一騎打ちが続き、前々回の8年前は過去最低の35パーセント台まで落ち込んでいました。

今回のように衆院選と投票日が同じになるのは28年ぶりで、一定の相乗効果が見込まれます。ただ、陣営は投票率が再び下がることを懸念しています。

百塚候補の陣営は投票率55%、新田候補の陣営は投票率50%を目指すとしています。

上野)そして知事選の期日前投票があすから始まるのを前に、きょうは投票所の設営が行われました。

このうち、富山市役所1階の多目的コーナーでは、職員が投票箱や記載台を次々に組み立て、設置していきました。

富山市であすから知事選の期日前投票ができるのは、旧富山市に住む人は市役所1階、旧町村部に住む人は大沢野会館で、今月20日からは、富山市内の公民館などでも投票を受け付けます。

投票できる場所と日時は、県選挙管理委員会のホームページで確認することができます。

また今月15日には、衆議院選挙が公示されます。翌16日からは衆院選の期日前投票も始まるため、富山市は今後、投票所のレイアウトを変更して対応することにしています。

助田)富山県の人口は今年100万人を割り込みました。私たちの暮らしを守り持続可能な地域であり続けるため、そのかじ取りは誰がふさわしいのか、候補の訴えをよく聞いて一票を投じてほしいと思います。
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