【解説】復興元年の能登 石川県の当初予算案…その注目点は? テレ金政治記者が斬る
市川栞アナウンサー:
県の新年度当初予算案が発表され議会に提出されました
特徴や新規の事業、注目点などについて平田記者の解説です。
平田記者:
よろしくお願いします。
市川栞アナウンサー:
県はことしを能登半島地震の復興元年と位置づけていますがその当初予算案の規模はどうなっていますか?
平田記者:
一般会計の総額は9300億円あまりで史上最大となった今年度の1兆2400億円に次ぐ過去2番目の規模。過去3番目は2001年当初の6600億円だったことからも大きな規模感と言えます。
市川栞アナウンサー:
大型の予算となった要因はやはり地震や豪雨への対応ですね。どのくらいの割合を占めているのですか?
平田記者:
地震と豪雨への対応に3250億円を充てていまして全体の4割近くを占めています。県はことしを復興元年と位置付けていて馳知事も先日の会見では復興への強い決意を語っていました。
馳知事:
「復活予算!安全安心はもとより加えてこれも財源によりますが、復興支援は必須であります。春の雪 なれば足元 踏みしめて。今、足元を踏みしめて転ばない ように調子に乗らないように一歩一歩進めていく必要がある」
市川栞アナウンサー:
大きな予算を実行する決意と共に慎重になっている様子もうかがえますね。大きな予算規模ですが県に入ってくるお金はどうなっているのでしょうか?
平田記者:
歳入については国からの財政措置となる国庫支出金で地震で過去最高だった去年の4600億円と比べ2500億円と4割近く減りました。しかし県税収については製造業を中心に企業業績が好調で過去最高の2120億円に。そして県の借金となる県債は地震前の3倍近い1500億円を発行したほか県の貯金にあたる財政調整基金も半分近く取り崩し財源をねん出しています。
市川栞アナウンサー:
これだけの税収を確保して能登の復興を進めるわけですね。馳知事は被災者の住まいの再建、生業の再建をことし第一に語っていましたがその具体的な取り組みは?
平田記者:
住まいについては被災地で仮設住宅などに住む人はおよそ1万世帯、2万1千人いてこの半数の人が自宅の再建を希望しています。複数に渡る支援制度が用意されていて最も適した制度を案内する電話窓口を作るほか専門のアドバイザーが付き添って関係機関での申請サポートを行う仕組みなども整えます。
市川栞アナウンサー:
支援制度の活用を促すことで復興のスピードアップにつなげる狙いですね。
平田記者:
またなりわい再建にももちろん注力していて新たな業種にチャレンジする能登の事業者に向け最大300万円の支援を行うなど起業の促進を図ります。
市川栞アナウンサー:
これらの取り組みで「復旧」だけでなく「復興」が加速してほしいですね
一方、県は復興のほかに「石川県の成長」も柱に掲げていますよね?気になるものは?
平田記者:
金沢城二の丸御殿の復元です。およそ30年かけて復元してきた金沢城の総仕上げとなります。来年度、本格工事に着手し機運を盛り上げるため工事現場のライブ配信や体験イベントなどを行います
市川栞アナウンサー:期待も高まりますね。
平田記者:
実施するもの先送りしたものそして移転を予定する社会福祉会館の設計費も盛り込まれたほかすべての県立高校の体育館に空調を設置し避難所としての活用するなど防災力を強化します。
一方、地震前に構想が取りまとめられた金沢市の西部緑地公園の産業展示館や県立野球場などの 再整備については先送りとなりました。
このことについて馳知事は次のように述べています
馳知事:
「復旧復興に向かう段階ですから、やりたいこと、やらなきゃいけないこと、たくさんありますけども、ぎりぎりに絞り込んでいます。堅調な足元を固める財政運営は必須です。全19市町の市長、町長ともコミュニケーションをとるなかで、本音の部分で私たちの意見を理解をして配慮した予算になっている」
市川栞アナウンサー:
限られた財源のなかで能登の復興と県の成長に向けてできることを全て盛り込んだということですね。
平田記者:
被災地最優先ではありつつ地震でストップしていた県の成長戦略の再始動が鮮明となった予算になったと言える。
今回の当初予算案は就任4年目を迎える馳知事の1期目の最後の本格予算です。その評価について県議からは「地震以外の分野では、できる範囲で網羅できている」と評価する声や「ハード面は仕方ないにしてもソフト面でもう少し踏み込んでもよかったのでは」といった声も聞かれました。
ひとまずこの一年は着実に予算を執行できるか馳知事の手腕が注目されます。
県の新年度当初予算案が発表され議会に提出されました
特徴や新規の事業、注目点などについて平田記者の解説です。
平田記者:
よろしくお願いします。
市川栞アナウンサー:
県はことしを能登半島地震の復興元年と位置づけていますがその当初予算案の規模はどうなっていますか?
平田記者:
一般会計の総額は9300億円あまりで史上最大となった今年度の1兆2400億円に次ぐ過去2番目の規模。過去3番目は2001年当初の6600億円だったことからも大きな規模感と言えます。
市川栞アナウンサー:
大型の予算となった要因はやはり地震や豪雨への対応ですね。どのくらいの割合を占めているのですか?
平田記者:
地震と豪雨への対応に3250億円を充てていまして全体の4割近くを占めています。県はことしを復興元年と位置付けていて馳知事も先日の会見では復興への強い決意を語っていました。
馳知事:
「復活予算!安全安心はもとより加えてこれも財源によりますが、復興支援は必須であります。春の雪 なれば足元 踏みしめて。今、足元を踏みしめて転ばない ように調子に乗らないように一歩一歩進めていく必要がある」
市川栞アナウンサー:
大きな予算を実行する決意と共に慎重になっている様子もうかがえますね。大きな予算規模ですが県に入ってくるお金はどうなっているのでしょうか?
平田記者:
歳入については国からの財政措置となる国庫支出金で地震で過去最高だった去年の4600億円と比べ2500億円と4割近く減りました。しかし県税収については製造業を中心に企業業績が好調で過去最高の2120億円に。そして県の借金となる県債は地震前の3倍近い1500億円を発行したほか県の貯金にあたる財政調整基金も半分近く取り崩し財源をねん出しています。
市川栞アナウンサー:
これだけの税収を確保して能登の復興を進めるわけですね。馳知事は被災者の住まいの再建、生業の再建をことし第一に語っていましたがその具体的な取り組みは?
平田記者:
住まいについては被災地で仮設住宅などに住む人はおよそ1万世帯、2万1千人いてこの半数の人が自宅の再建を希望しています。複数に渡る支援制度が用意されていて最も適した制度を案内する電話窓口を作るほか専門のアドバイザーが付き添って関係機関での申請サポートを行う仕組みなども整えます。
市川栞アナウンサー:
支援制度の活用を促すことで復興のスピードアップにつなげる狙いですね。
平田記者:
またなりわい再建にももちろん注力していて新たな業種にチャレンジする能登の事業者に向け最大300万円の支援を行うなど起業の促進を図ります。
市川栞アナウンサー:
これらの取り組みで「復旧」だけでなく「復興」が加速してほしいですね
一方、県は復興のほかに「石川県の成長」も柱に掲げていますよね?気になるものは?
平田記者:
金沢城二の丸御殿の復元です。およそ30年かけて復元してきた金沢城の総仕上げとなります。来年度、本格工事に着手し機運を盛り上げるため工事現場のライブ配信や体験イベントなどを行います
市川栞アナウンサー:期待も高まりますね。
平田記者:
実施するもの先送りしたものそして移転を予定する社会福祉会館の設計費も盛り込まれたほかすべての県立高校の体育館に空調を設置し避難所としての活用するなど防災力を強化します。
一方、地震前に構想が取りまとめられた金沢市の西部緑地公園の産業展示館や県立野球場などの 再整備については先送りとなりました。
このことについて馳知事は次のように述べています
馳知事:
「復旧復興に向かう段階ですから、やりたいこと、やらなきゃいけないこと、たくさんありますけども、ぎりぎりに絞り込んでいます。堅調な足元を固める財政運営は必須です。全19市町の市長、町長ともコミュニケーションをとるなかで、本音の部分で私たちの意見を理解をして配慮した予算になっている」
市川栞アナウンサー:
限られた財源のなかで能登の復興と県の成長に向けてできることを全て盛り込んだということですね。
平田記者:
被災地最優先ではありつつ地震でストップしていた県の成長戦略の再始動が鮮明となった予算になったと言える。
今回の当初予算案は就任4年目を迎える馳知事の1期目の最後の本格予算です。その評価について県議からは「地震以外の分野では、できる範囲で網羅できている」と評価する声や「ハード面は仕方ないにしてもソフト面でもう少し踏み込んでもよかったのでは」といった声も聞かれました。
ひとまずこの一年は着実に予算を執行できるか馳知事の手腕が注目されます。
最終更新日:2025年2月25日 19:13