国政選挙で全国初の試み 期日前投票を「オンライン立ち会い」で実施 中山間地域などの人口減少に伴う立ち会い人不足への対策 鳥取県南部町
10月15日に公示された衆議院総選挙。山陰両県では16日から、投票日、当日に投票へ行けない有権者のための期日前投票が始まりました。そんな中、鳥取県南部町では、全国初とみられるある試みが行われていました。
その試みとは、投票の立ち合いを遠隔で行う「オンライン立ち会い」。中山間地域などの人口減少や過疎化に伴い、投票所の減少や立ち会い人の不足を補うために実施されました。
10月16日は、南部町の大木屋公民館に通信機能を備えた車にテントを張った移動式の期日前投票所を午前10時から正午まで設置。最低2人必要な立会人の1人は現地でオンライン用カメラを設置して有権者が投票する様子を撮影。
この模様をもう一人の立会人が約12キロ離れた南部町役場の法勝寺庁舎で投票が正しく行われているかをモニターで確認していました。
オンライン立ち会いで投票した人
「(投票所が)近くでね。良かった。こんな不便なところに(他の住民も)近くで喜んでいると思います」
鳥取県 市町村課 松﨑亮太 課長
「こういった中山間地において、少ない人数でオンライン投票立ち会いができるというのは、とてもいいことと思いますし、手応えを感じてます」
この投票所のオンライン立ち会いは、鳥取県が支援していて今回は、今年7月に実施された江府町長選挙に次ぐ取り組み。国政選挙での実施は全国で初めてとみられます。
東北大学大学院 河村和徳 准教授
「中山間地域で一定の集落がある場合は、こういった形で集まってということになると思いますけど、家からなかなか出て来られないお年寄りの方々の投票環境といった時に、出張型の投票所が出来るのは、プラスと思うので、そういうところも働きかけていくのも大事かなと」
鳥取県は、今後も各市町村の意向を踏まえたた上で地方選挙、国政選挙に関わらずオンライン立ち会いの課題を検証しながら、導入を支援していく方針です。また、県内はもちろん、全国各地での普及に向け今後は、国に対しても提言を行っていくということです。